あの世への入口! 日本三大霊場 恐山の「夏の例大祭」へ

風車

青森駅からは青い森鉄道とJRを乗り継いで下北まで乗車、下北からは下北交通のバスで恐山へ向かいます。今回はちょうど毎年7月20日から24日に行われる恐山の「夏の例大祭」の初日になります。あの世の入口とも言われる日本三大霊場 恐山へ初めて訪れるのですが「夏の例大祭」ではイタコの口寄せも行われているそうなので、どのようなものか気になるところです。

青森から恐山へ

早朝の青森駅が開いてまずは券売機で青春18きっぷを購入します。7月20日から青春18きっぷの利用期間が始まります。カードで購入して領収書を発行したら全部で9枚も出てきました。

青い森鉄道

青い森鉄道

始発の05:41発の八戸行きに乗車します。青い森鉄道はJR線への通過利用する場合に限り青春18きっぷが利用できます。ようするに青森、野辺地、八戸のJR線に接続する駅での下車は可能で、それ以外の駅で途中下車する場合は青春18きっぷが使えないということです。

野辺地駅

野辺地駅

野辺地でJR大湊線に乗り換えになりますが、外へ出て駅舎だけ撮影します。

キハ100系

キハ100系

大湊線は非電化区間ですので車両は気動車のキハ100系になります。下北駅に到着してキハ100系を見送ります。

下北駅

下北駅

こちらが下北駅になります。

バス乗り場

バス乗り場

下北駅からは下北交通の路線バスで恐山へ移動します。

バス時刻表

バス時刻表

恐山行きの路線バスは09:05発になります。本数が少ない上に恐山が閉山する冬は冬季運休という路線です。地元の人達の路線バスというより霊場恐山への巡礼バスの意味合いが強い感じですね。

観光地図の裏にコインロッカーがあります

観光地図の裏にコインロッカーがあります

下北駅にはコインロッカーがあります。正確には下北観光案内所が管理するコインロッカーで観光案内所と公共トイレの間にあります。ちょうど観光案内図の裏側にあります。

コインロッカー

コインロッカー

コインロッカーの料金は大中小ともに一律100円で安いと思ったのですがよく見ると「100円硬貨は利用後返却されます。」とあります。なんと無料です。利用時間が09:00~18:00で短めですが恐山巡礼には十分ですね。霊場恐山への観光客向けの設備が整っているのは意外でした。正直言って下北駅は何も無いと思っていました。

定刻通り09:05にバスが発車して恐山へ向かいます。下北駅前→恐山の運賃は800円になります。下北駅前からの乗客は10人ほどです。むつ市内のむつバスターミナルで12人乗車してきてそこそこの混雑になりますが全員座れており恐山まで立ち席の乗客はなさそうです。乗客のほとんどは高齢者で、これ以降は途中のバス停で乗客が乗車することはなく完全に恐山への巡礼バスです。

日本三大霊場 恐山

恐山駐車場

恐山駐車場

09:45、恐山に到着します。ここが霊場恐山で駐車場には車が多く県外ナンバーの車も見受けられます。全国から霊場恐山への参詣に訪れているようです。

霊場恐山

霊場恐山

恐山は夏の例大祭初日になります。参詣者は多く日本三大霊場と呼ばれるだけのことはあります。時折り風に乗って硫化水素の臭いが漂ってきます。温泉や火山で漂ってくる腐った卵のような臭いです。これは硫黄の臭いと言われることもありますが硫黄は無臭です。学生さんは学校の理科準備室にある硫黄の臭いを嗅いでみると無臭だということがわかります。

入山券

入山券

恐山の入山料は500円になります。

総門

総門

総門の寺紋は南部氏の「割菱紋」です。本坊の円通寺が南部氏の援助で創建されていますので恐山菩提寺も南部氏が深く関わっていることが推測できます。

恐山基本情報

正式名称:恐山菩提寺
本尊:延命地蔵菩薩
開基:慈覚大師円仁
本坊:曹洞宗円通寺
開山期間:5月1日~10月31日
開門時間:06:00~18:00
夏の例大祭:7月20日~24日
秋詣り:10月の体育の日が最終日となる3日間(土・日・月)
入山料:500円
祈祷・供養時間:06:30、11:00、14:00
田名部海辺三十三観音巡礼 三十三番札所

恐山は平安時代の864年(貞観4年)に天台宗の慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開かれたと伝えられています。1456年(康正2年)に起きた蠣崎蔵人の乱により焼き払われ廃寺となりますが、1530年(享禄3年)に南部氏の援助で円通寺を創建した曹洞宗の宏智聚覚和尚により再興されます。日本三大霊場(恐山、高野山、比叡山)のひとつとして知られています。

参道

参道

総門をくぐると境内には霊場恐山の外とは違った雰囲気が漂っています。

イタコの口寄せ

イタコの口寄せ

イタコの口寄せ

境内の一角ではイタコの口寄せが行われています。夏の例大祭初日は3人のイタコが口寄せをしており列ができております。イタコの口寄せは死者の言葉をイタコと呼ばれる女性たちが伝えます。

イタコの口寄せ

イタコの口寄せ

境内でイタコの口寄せが行われているのですが、注意点としてイタコは恐山には住んでおらず青森各地に住んでおり、以前は土日などでも恐山にやってきたそうですが、現在は恐山夏の例大祭と恐山秋詣りの時のみやってくるということです。もう一つ注意点でイタコと恐山菩提寺は何の関係もありません。恐山菩提寺が境内を貸しているだけです。

山門から地蔵殿

お地蔵様と風車

お地蔵様と風車

境内にはお地蔵様の側に多くの風車が供えられており、まさにテレビで見る恐山のイメージです。

山門

山門

恐山の山門までやってきました。山門の寺紋が葵の御紋なのは1871年(明治4年)に本坊の円通寺に斗南藩の藩庁が置かれていたためでです。この斗南藩は戊辰戦争で敗れた会津藩の転封先であり松平容保の嫡男・松平容大が藩主になります。

参道

参道

参道脇には石燈籠が並び幟も掲げられています。

地蔵殿

地蔵殿

本尊が安置されている地蔵殿です。本尊は伽羅陀山地蔵大士になります。

恐山奥の院

恐山奥の院への道

恐山奥の院への道

恐山奥の院へ向かいます。

恐山奥の院

恐山奥の院

恐山奥の院には不動明王像が安置されており、お参りしている人たちがいます。

境内

境内

恐山奥の院から見える境内です。奥に見えるのがカルデラ湖の宇曽利湖(うそりこ)です。

恐山の地獄へ

地獄へ向かいます

地獄へ向かいます

夏の例大祭なので多くの人たちが境内の西にある恐山の地獄へ向かいます。

大師堂

大師堂

恐山の地獄の中にある大師堂です。子供の霊を慰めるため多くの風車が供えられています。この場所で慈覚大師円仁が説法を行ったそうです。

千手観音

千手観音

賭博地獄の近くにあるのが千手観音です。千手観音の側には供養のためにお菓子や風車が供えられ、故人の冥福を祈る石が積み上げられています。

宇曽利湖

宇曽利湖

地獄からはカルデラ湖の宇曽利湖(うそりこ)が見えます。

子抱地蔵尊

子抱地蔵尊

子抱地蔵尊にはお菓子や名前の書かれた袋が供えられています。

血の池地獄

血の池地獄

こちらは血の池地獄になります。

賽の河原地蔵堂

賽の河原地蔵堂

賽の河原地蔵堂、八角円堂とも呼ばれます。

水子供養御本尊

水子供養御本尊

右奥にあるのが水子供養御本尊です。水子供養のために多くの風車が供えられています。

極楽浜

極楽浜

賽の河原から進むと極楽浜です。宇曽利湖は青く美しい湖ですがpH3.5付近の酸性で魚はウグイのみ生息しており、生物が住むには厳しい環境です。

風車

風車

極楽浜にも風車が供えられています。目の前には「あなたの知らない世界」が広がっています。

極楽浜

極楽浜

こちらは花、酒、お菓子が供えられています。酒が供えられているので旦那さんの供養でしょうか?

震災慰霊塔

震災慰霊塔

震災慰霊塔は東日本大震災で亡くなられた人たちの供養のために建立されており地蔵菩薩が安置されています。

極楽浜から再び地獄

極楽浜から再び地獄

極楽浜から再び地獄を歩きます。

重罪地獄

重罪地獄

重罪地獄

金掘地獄

金掘地獄

金掘地獄

恐山菩提寺と駐車場

恐山菩提寺と駐車場

こちらは恐山菩提寺と駐車場です。夏の例大祭初日ですので駐車場には車が結構あります。

山門

山門

地獄と極楽浜を見て恐山菩提寺に戻ってきました。

恐山を下山!次の目的地は平泉

バス停

バス停

11:40、バス停前の休憩所でバスを待つことにします。下北駅前行きのバスは13:00発になります。まだ1時間以上あり、恐山には食堂がありますので昼食も可能です。

13:00に下北駅前行きバスが発車します。途中で乗車してくる乗客はおらず恐山からの帰る乗客のみで帰りも巡礼バスでした。

恐山から次の目的地は岩手県平泉になります。平泉は奥州藤原氏により繁栄した町で世界遺産 中尊寺金色堂があることで知られております。

13:40、下北駅前に到着です。観光案内所のコインロッカーから荷物を回収して駅で列車を待ちます。次の野辺地方面の列車は14:09発、快速しもきた八戸行きになります。

大湊駅

大湊駅

次に乗車するのが快速しもきた八戸行きなのですが、その前に13:54発、快速しもきた大湊行きが到着です。ここで思いつきました。この快速しもきた大湊行きが大湊で折り返し快速しもきた八戸行きになりますので、青春18きっぷならそのまま乗車して大湊線を乗り鉄制覇してしまえばいいですよね。ということで、終点の大湊まで乗車します。大湊駅で外へ出て駅舎の撮影です。

大湊駅

大湊駅

本州最果ての駅ですので看板には「てっぺんの終着駅 大湊駅」とあります。

電光掲示板

電光掲示板

再び14:05発、快速しもきた八戸行きに乗車します。野辺地から再び青い森鉄道を走り八戸へ向かいます。

電光掲示板

電光掲示板

八戸で16:11発、青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道経由 盛岡行きに乗車します。八戸-盛岡は青春18きっぷが使えないので車内精算か盛岡駅で精算になります。一番楽なのは車内改札しに来てくれるといいのですがワンマン運転なので盛岡駅で精算ですね。青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道の境界駅は青森県最後の駅「目時」になります。次の「金田一温泉」で岩手県になります。

ワンマン運転だと思っていたのですが二戸あたりで車掌さんが乗車してきたようで、小鳥谷から車内改札が始まります。八戸から盛岡までの運賃は3040円になります。

電光掲示板

電光掲示板

盛岡駅でIGRいわて銀河鉄道からJR東北本線に乗り換えです。盛岡から岩手県をさらに南下していきます。盛岡駅ではIGRいわて銀河鉄道とJRの改札口が分かれており、一度改札口を出てJRの改札口へ向かいます。乗り換え時間は余裕があるので走る必要はないのですが、夕方の帰宅ラッシュの時間帯になるのでホームは混雑しております。

盛岡からは18:17発の一ノ関行きに乗車します。ラッシュ時間で空席はありませんので、このまま平泉まで立っていくことにします。平泉まで座れないと思っていましたが水沢で乗客がかなり下車してようやく座れました。しかし、平泉までは10分ほどで終点にかなり近い駅です。

平泉駅

平泉駅

定刻通り19:40に平泉到着、予約しておいた旅館へ。明日は奥州藤原氏の平泉観光です。

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風車