インド最北部の州ジャム・カシミール州ラダック地方のレーに来ました。レーは停電が多くゲストハウスのWi-Fiは激遅で使い物にならないので、今回はインド最大手の携帯電話会社AirtelのプリペイドSIMカードを購入してインターネットを利用しようと思います。ちなみにドコモのSIMカードはレーではローミングできず使えませんでしたので、インド国内の通話が必要な人は現地SIMを購入しておいたほうが良いです。
インドの携帯電話会社について
インドの携帯電話市場はバルティ・エアテル(Airtel)、ボーダフォン・インディア(Vodafone)、リライアンス・ジオ(Jio)の大手3社に集約されています。Airtelがドコモ、VodafoneがAu、Jioがソフトバンクといった構図ですが、インドの携帯電話市場は日本よりも競争が激しく2017年に10社以上あった事業者が、2019年には大手3社に集約されてきています。
インド携帯 3強に集約
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27567150R00C18A3FFE000/インド携帯電話大手の18年3月期、「ジオ」独り勝ち
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30532520V10C18A5FFE000/
ラダック地方では通話のみならBSNLが一番サービス範囲が広い
BSNLはインドの公営通信会社でAirtel、Vodafone、Jioの大手3社に比べると市場シェアは1割以下で低いのですが、それもユーザー数は1億人を超える携帯電話事業者です。このBSNLは公営企業ということもあり大手3社が基地局を設置していない以下の僻地でもGSMでのサービスを提供しております。
- コルゾック(ツォ・モリリ)
- スパンミク(パンゴン・ツォ)
- へミス・シュクパチャン(シャム・バレー)
- トゥルトゥク(ヌブラ渓谷)
- パドゥム(ザンスカール)
通話サービスのエリアだけならラダックで1番広いので、ラダックのタクシードライバーさんの殆どはBSNLのSIMカードを持っています。パンゴン・ツォ、ツォ・モリリ、ヌブラ渓谷、ザンスカールといった人気観光地でBSNLでしか通話できないとなると仕事上必要な通信手段は自然とBSNL一択になります。
ただし、基本GSMでのサービスですのでデータ通信は諦める必要があります。あくまで通話のみと考える必要があります。データ通信はどうでもよく、辺境地域で通話手段だけは何とか確保したい人はBSNLでの検討の価値があるかもしれません。外国人がBSNLのSIMカードが購入できるかの問題がありますが、ザンスカールのパデュムに宿泊した時にフランス人のお兄さんがBSNLのSIMで通話していたので購入はできるようです。
レーのAirtelショップでプリペイドSIMカード購入
某掲示板で見つけた2018年の台湾人情報でメインバザールの出入口近くのAirtelショップで手続きできたということなので行ってみたら外国人はメインバザールの路地にあるAirtel Payments Bankという店舗で手続きという事でそちらへ行きます。
このメインバザールの路地を入っていきます。目印はTITANの看板です。
この路地の奥にAirtelの店舗があります。日本で例えると大阪西成の危なそうな路地にドコモショップがある感じです。
20mほど進むと左手に広くなった区画があり、そこにAirtelの店舗があります。
日本のドコモショップやカンボジアのスマートの店舗のようにおしゃれな内装や番号札の発券機といった物は一切ありません。手の空いた店員に声を掛ける方式で順番より早い者勝ちと言った感じです。私が訪れた時はフランス人やアメリカ人の集団が来店中で30分待ちでした。
店内にプラン一覧表が貼り出されていますが実際に販売されているプランは1種類のみで強制加入になっており顧客に選択肢はありませんでした。
販売していたプランは以下の通りです。
契約日数:28日間
通話料:インド国内通話無料
データ通信:1日1.4GB
料金:360ルピー(契約プラン248ルピー+SIMカード112ルピー)
店員さんがスマホに必要事項を入力していきます。パスポート、ビザを撮影、次に日本の住所や何故か「Father’s Name」の項目があり父親の名前を入力します。一通り入力が進み店員さんのIDも撮影しています。手続きをした担当者をはっきりさせて不正防止ということでしょうか。
最後の方でスマホで写真撮影をしてSIMカードが渡されます。袋にアクティベートの電話番号59059とOTPコードが書かれており、あとは自分でやってくださいという事でした。カンボジアだとアクティーベートからちゃんとインターネットに繋がっているかまで確認してくれたのですがインドは優しくありません。SIMカードの代金を360ルピーを支払います。
こちらがSIMカードでナノSIM、マイクロSIM、標準SIMの各サイズ対応になっており、必要なサイズに取り外してスマートフォンに挿します。
アクティベートの電話番号に掛けてみますが日本語以外解らない私にはさっぱり解らず。結局は店員さんにアクティベートも丸投げします。アクティベート完了後5分くらいでAPNの設定不要でインターネットに繋がるようになりました。手続き開始から1時間ほどでインドの携帯電話AirtelのSIMカード購入完了です。
インターネットに接続可能になったら、まずGooglePlayからAirtelのアプリをダウンロードしてインストールします。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.myairtelapp
アプリを起動するとSIMカードの状態が表示されます。
データ通信1日1.4GB
契約残り日数27日
インド国内通話無料
今回契約したAirtelの契約プランの凄い所はデータ通信が1日1.4GBまで使えるという所です。これが日本のドコモとかになると1ヶ月で1GBや2GBといった契約なのにAirtelは1日1.4GBと驚きのパケット量です。これならパケ死にせずに済みますので良いですね。音声通話はインド国内通話し放題になっています。これで360ルピー(576円)というのは驚きの料金です。
さらに今回は1週間限定で5GBのパケットがプレゼントされていました。インド太っ腹です。
レーは4G LTEでも通信速度は低速
早朝にゲストハウスで速度測定してみましたが、下り4.46Mbps、上り0.22Mbpsと4G LTEでもかなり遅いです。レーが辺境地域に位置していますので、通信設備が最新でもレーからニューデリーなどの大都市までの通信網の帯域幅が狭いので遅いようです。大都市と違いレーから他都市まで簡単に光ファイバーケーブルを敷設できる環境ではありませんので仕方がないですね。
レーでは日中になると通信トラフィックが増加してアナログモデム以下の速度になることも多々あります。夕方から夜間にかけてはYahooは繋がりにくい状態が発生しておりました。基本的に通信速度の状態が良くなるのは皆が寝静まって利用者の少ない深夜早朝になります。私は毎朝5時起きでネットサーフィンしておりました。
追記
ニューデリーのSIMカードはラダック地方レーでは使えない
Airtelに限らずVodafone、Jio、BSNLでも言えますが、ジャム・カシミール州ではニューデリー、マナリ、アーグラ、バラナシ、コルカタなどの他州や連邦直轄領のプリペイドSIMカードは利用できません。後払いのポストペイドSIMカードなら利用できるということです。簡単に言えばニューデリーの空港で購入したSIMカードはラダック地方レーでは使用できないということです。
これはジャム・カシミール州の領有権を巡ってインドがパキスタン、中国と争っている紛争地域でありテロを警戒していることが理由で携帯電話に規制がかけられており、ジャム・カシミール州以外で発行されたプリペイドSIMカードは利用できなくなっています。ちなみに日本のドコモのSIMカードもジャム・カシミール州では国際ローミングできずに使用できませんでした。
逆にジャム・カシミール州で発行されたプリペイドSIMカードはニューデリー、マナリ、アーグラ、バラナシ、コルカタなどの他州や連邦直轄領では使用できません。実際にレーで購入したAirtelのSIMカードはジャム・カシミール州の南隣に位置するヒマーチャル・プラデーシュ州のケイロンやマナリでは使用できなくなりました。逆に日本のドコモのSIMカードはAirtelのネットワークを使い国際ローミング出来るようになりました。
マナリでAirtel公式ショップAirtel Expressで訊ねてみましたが、やはり上記で挙げたカシミール問題を理由にレーのSIMカードはジャム・カシミール州以外では使用できないということでした。
マナリでAirtelのSIMカード購入
レーのSIMカードがジャム・カシミール州以外では使用できませんので、マナリでSIMカードを購入することにします。今回もインド最大手AirtelのSIMカード購入だと芸がないので、インドの携帯電話事業者大手3社の一角を担うJioのSIMカードを購入しようと思いマナリのバスターミナル前にあるSIMカード販売店へ行きます。ここは公式ショップではなく街中の小売店になりAirtelとJioの2社のSIMカードを扱っています。
店員さんにJioのSIMカードを購入したいことを伝えると、「ここはインド人だけに販売なので、Jioのオフィスで手続きしてほしい」ということで、街中の販売店はインド人のみへの販売でした。マナリにあるJio公式ショップの場所を教えてもらい行ってみますが、マナリのJio公式ショップではパスポートでのSIMカード購入は不可でした。
仕方がないのでマナリのAirtel公式ショップAirtel ExpressでSIMカード購入です。Airtel公式ショップの場所は下記Google Mapsの通りでマナリのバスターミナルから徒歩3分ほどの場所にあります。レーと同じように路地を入っていった所にあり少々わかりにくい場所にあります。
AirtelのショップではパスポートでのSIMカード購入OKで店員さんがすぐに手続きをしてくれます。レーでのSIMカード購入時と同じ流れでスマホでパスポート、ビザを撮影、次に日本の住所や父親の名前を入力、最後にスマホで写真撮影があります。今回、契約プランは28日契約と82日契約の2種類用意されており28日契約を選択します。
契約日数:28日間
通話料:インド国内通話無料
データ通信:1日1.4GB
料金:350ルピー(契約プラン248ルピー+SIMカード102ルピー)
今回もですがAirtelの契約プランの凄い所はデータ通信が1日1.4GBまで使えるという所です。日本のドコモ、au、ソフトバンクとかになると1ヶ月で1GBや2GBといった契約なのですがAirtelは1日1.4GBものデータ通信量です。レーでは同じ契約内容で360ルピーだったのですがマナリはSIMカード代が10ルピー安くなっており料金は350ルピー(560円)になっていました。
SIMカードを入れて起動した時点でアンテナが立っており、既に電波は受信していました。5分待つとアクティベート出来るようになるということでそのまま待ちます。5分後に店員さんがアクティベートをしてくれてスマホを再起動します。再起動後にインターネットに接続できるようになりアクティベート完了です。申込みから回線開通まで所要時間20分でした。
続いてレーでインストールしておいたAirtelのアプリを起動してマナリで購入したSIMカードの電話番号を登録します。
登録するとマナリのSIMカードの情報も表示されます。残り契約日数が27日、データ通信1.4GB/日となっています。
以上、「インド・ラダック地方レーでプリペイドSIMカードを購入!360ルピーでパケット毎日1.4GB・インド国内通話無料」でした。



















