インド最北部のジャム・カシミール州ヌブラ渓谷にやってきました。今回のアジアバックパッカートラベルではレーからヌブラ渓谷のパナミク、ディスキット、トゥルトゥクをシェアタクシーとバスのみで自力で周遊します。パナミクからはバスを乗り継いでトゥルトゥクを目指します。トゥルトゥクはカシミール紛争のインド・パキスタンの停戦ラインに近く外国人が行けるインド最北の村になります。ヌブラ渓谷はインド・パキスタンの停戦ラインに近いため許可証のインナーライン・パーミット(Inner Line Permit; ILP)をレーの旅行代理店で手配しております。
パナミク(Panamik / Panamic)3200m 出発
ディスキット(Diskit) 3150m
ディスキット・ゴンパ 3300m
トゥルトゥク(Turtuk) 2800m 宿泊
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
パナミク→トゥルトゥク.gpx
パナミク→トゥルトゥク.kml
パナミクからバスでディスキットまで移動
06:45、宿泊しているホームステイの前をディスキット行きのバスが通るということでバスを待ちます。ヌブラ川を挟んだ対岸の村からバスが来るということで遠くで頻繁にクラクションの音が響いているのでバスが出発したのでしょう。
07:15、ディスキット行きのバスがやってきましたので乗車します。パナミク→ディスキットの運賃は80ルピー(128円)になります。
バスは小型で座席は2列+2列なのでかなり狭いです。
ヌブラ川に沿ってバスはディスキット方面へ走っていきます。途中の集落で地元民の乗り降りがありますが満席までにはならず適度な混雑で済みます。北から南へ流れていたヌブラ川はディスキットの手前でインダス川の支流ショク川(Shyok River)に合流してヌブラ渓谷を西のパキスタン方向へ流れていきます。
ディスキット到着
09:20、標高3150mのディスキットのバススタンドに到着です。看板とかは一切見あたらずただの駐車場です。
09:30、バススタンドにもう一台のバスが到着、気になったのでトゥルトゥク行きかを訊いたら大当たりでトゥルトゥクからディスキットに戻ってきたバスで14:30発のトゥルトゥク行きとの事です。バスチケットは道を挟んだチケットオフィスで購入なのでチケット購入に向かいます。看板とかは出ていないのでそれっぽい店を一軒づつ訊いていき見つけます。
ディスキット→トゥルトゥクのチケットは120ルピー(192円)、手書きのチケットで14:00にバス集合とのことです。私は8番目の購入なので出発直前は売り切れの可能性ありです。
余った時間を利用してチベット仏教寺院のディスキット・ゴンパに向かいます。ディスキット・ゴンパからバススタンドまでの道にはゲストハウスが4軒あるのが確認できます。レストランはバススタンド周辺に3軒以上があります。
ディスキット・ゴンパ
ディスキット・ゴンパは山の上にあり山道を登っていきます。荷物を背負っての移動だと体力をかなり消耗しますがディスキットとヌブラ渓谷を見渡せるので景色だけは抜群です。
10:40、表高3300mのディスキット・ゴンパ(Diskit Gompa)に到着です。ディスキット・ゴンパはチベット仏教ゲルク派の僧院になり、14世紀にゲルク派の開祖ツォンカパの弟子Changzem Tserab Zangpoによって創建されました。レー近郊のティクセイ・ゴンパの傘下寺院でもあります。
僧院の近くには2010年に完成した高さ32mのMaitreya Buddha像があります。
像の下には2010年の像完成時にダライ・ラマが訪れた際に宿泊したポタン(宮殿)があります。
こちらは別の日に訪れた際のディスキット・ゴンパの入場券、入場料は30ルピー(48円)です。
ディスキット・ゴンパの本堂内部です。
仏像は布で顔が隠されておりゴンパで特別な行事がある時に布が取られるそうで、秘仏の御開帳に似ています。
バスでディスキットからトゥルトゥクに移動
12:50、ディスキットのバススタンドに戻ってきました。トゥルトゥク行きバスは14:30発ですが既に屋根には荷物満載、車内では乗客6人が待機中という状況です。私も乗車して発車時間まで待ちます。
バススタンドは午前中とは違いレーから到着したシェアタクシーがおります。乗客を降ろした後に荷物の積み込み作業をしているシェアタクシーがおり当日中にレーに戻る強行軍のようです。
14:00、パナミク行きのバスが発車していきます。ディスキットを毎日14:00発、17:00前後にパナミク到着のようです。
14:00、レー→ディスキットのバスが到着しました。欧米人バックパッカーが数人下車して、トゥルトゥク行きバスに乗車してきます。しかし、昼過ぎにチケットは完売しており、立ち席なら乗車可能という事です。ディスキットからトゥルトゥクまで4時間立ったままは大変です。
14:30、トゥルトゥク行きのバスが出発します。車内は満席で立ち席の乗客もいます。20分ほどでディスキットの隣りにあるフンダルに入ります。フンダルはヌブラ渓谷の主要観光地フンダル砂丘で知られております。
フンダル砂丘ではラクダに乗って砂丘を巡るキャメルトレッキングが行われています。キャメルトレッキングの画像は別の日に撮影。
バスはショク川(Shyok River)に沿ってヌブラ渓谷を西へと走っていきます。フンダルの西にあるSkuruを境にチベット仏教の仏塔チョルテンやマニ車が姿を消してイスラム文化圏に変わります。
外国人が行けるインド最北の村トゥルトゥク
18:30、標高2800mのトゥルトゥク村(Turtuk)に到着します。トゥルトゥクの中心部にはチェックポストがありパーミットの回収があるのですが、既に夕方でチェックポストは閉まっており確認無しでした。バスを降りて周辺のゲストハウスに向かいます。
村の中にあるゲストハウスをいくつか見て回りKHARMANG GUEST HOUSEに宿泊します。欧米人宿のようで結構賑わっていました。
部屋は1泊600ルピー(960円)のトイレ・シャワー共用ダブルルームです。電気は19:30~23:00までの供給が基本。水道は雪解け水を引き込んでいます。シャワーはお湯が出ず冷水のみです。
夕食は近くのレストランでダル・ライス130ルピー(208円)とミルクティー40ルピー(64円)を頂きます。
食後にトゥルトゥクの星空撮影を行います。ゲストハウスの屋上からの撮影なので村の光が邪魔している感じですが星空でなく夜景ならそこそこいい感じです。
星空は天の川が見えてなかなか良いです。電気が止まる真夜中はもっと輝いて見えるのかもしれません。
トゥルトゥク(Turtuk)について
ヌブラ渓谷にある2010年に観光客に開放された外国人が行けるインド最北端の村、特産品はアプリコット。パキスタンとの停戦ラインからは約10kmの紛争地帯になります。1971年まではパキスタンの実行支配下にありましたが1971年12月の第三次印パ戦争で東パキスタンがバングラデシュとして独立する中で、カシミール紛争の最前線にあるトゥルトゥクをインド軍が占領しインド領となっています。もちろんこの時に住民はパキスタン国籍からインド国籍に変わっています。
特産品のアプリコットは村のいたる所に植えられており7月から8月は収穫時期に当たります。
村の見所は伝統住居が並ぶ村内部、モスク、ゴンパなのですが、村のモスクは内部見学できませんのでそれほど見る価値はありません。村外れにあるのがイスラム教徒の村では珍しいチベット仏教寺院のトゥルトゥク・ゴンパです。
ゴンパ(僧院)と言っても僧侶はおらず無人です。
イスラム世界で見たことがなかったチベット仏教の祈祷旗タルチョがはためく光景は考えさせられるものがあります。1971年までパキスタンだったトゥルトゥクにゴンパが存在するのは、インドによる占領後にゴンパが建立されたと考えるのが自然でしょう。
トゥルトゥクで一番の見所が石造りの伝統住居が並ぶ村そのものです。
迷路のように入り組んだ路地と水路が特徴です。
村の中にある麦畑も見所といっても良いでしょう。停戦ラインから10kmという紛争地域であるにも関わらずのどかな風景が広がっています。
7月はトゥルトゥクでの麦の収穫時期のようで穂をつけた麦が頭を垂れていました。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 170ルピー | – |
宿泊費 | 600ルピー | – |
バス | 80ルピー | パナミク→ディスキット |
バス | 120ルピー | ディスキット→トゥルトゥク |
合計 | 970ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:1552円 |