インド最北部ジャム・カシミール州にあるラダック地方。チベット文化圏に属するラダック東部はチャンタン(Changtang)とも呼ばれており、中国領チベットとの国境地帯、標高4250mの場所に天空の湖パンゴン・ツォがあります。今回のアジアバックパッカートラベルではレーから天空の湖パンゴン・ツォまでバス・徒歩のみで自力で周遊します。パンゴン・ツォはインド・中国の紛争地域のため許可証のインナーライン・パーミット(Inner Line Permit; ILP)をレーの旅行代理店で手配しております。
レー(Leh)3500m 出発
カルー チェックポスト 3370m
チャン・ラ(Chang La) 5360m
タンツェ(Tangtse)チェックポスト 3950m
スパンミク(Spangmik)4250m 宿泊
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
レー→パンゴン・ツォ.gpx
レー→パンゴン・ツォ.kml
レーからバスでパンゴン・ツォまで移動
、レーのバスターミナルになるNEW BUS STANDにやってきました。これから発のローカルバスでチャンラ峠を越えてパンゴン・ツォ(Pangong Tso)まで移動します。
今回のパンゴン・ツォ行きバスはこちらになります。おなじみインドの三菱ともいえる大財閥TATAのバスです。ちょうど屋根に荷物を載せている最中です。
バス車内はこんな感じで座席は2列+3列でかなり窮屈です。発ですけどツォ・モリリ行きのバスと同じように30分ぐらい遅れるのでしょう。
レーからパンゴン・ツォまでの運賃は292ルピー(468円)になり、バスチケットは前日に購入しています。今回のパンゴン・ツォ行きのバスは空席があるようで当日の朝に窓口でパンゴン・ツォ行きのチケットを購入している地元民がいました。
こちらはバスの時刻表兼運賃表です。6番目の項目がパンゴン・ツォになり「PANGONG LAKE MAAN-MARAK」と表記されておりマン村やメラク村まで運行されている事になっているのですが、ここは詐欺師大国インドで実際のバスはパンゴン・ツォのスパンミク村までの運行です。「Ticket to Marak, please.」と言って購入してもバスはスパンミクが終点です。この時、まだ私は騙されている事に気付いておりません。
、30分遅れでレーを出発します。欧米人観光客が10人ほど、空席は10席ほどあり比較的空いているように思えたのですが、その分で通路にも荷物があふれておりました。
レーの隣町チョグラムサルで追加で乗客を乗せます。ちょうどティクセイ行きバス乗り場の近くに停車します。
、カルー(Kharu)に到着、ここで朝食休憩になります。カルーはレー方面、パンゴン・ツォ方面、ツォ・モリリ、マナリ方面の分岐点になります。
、朝食休憩を終えて出発します。パンゴン・ツォ方面の道に入ってすぐカルーのチェックポストに到着です。ここでバスを一旦降りてパスポートとパーミットを持って手続きをします。
カルーのチェックポストはゲート無し、道路上に警官もいないので自由に素通りできます。以前にサクティ行きのバスに乗車した時はチェックポストを素通りしております。バイクでチャンラ峠まで日帰り旅行する場合も素通りできてしまうのでパーミット無しでも何とかなってしまいます。運悪く道路上でパーミットチェックをやっていてもチェムレ・ゴンパ、タクトク・ゴンパまで行くと申告すれば通れてしまいそうです。
、チェムレ・ゴンパ付近を通過します。
サクティ村手前からパンゴン・ツォへの山道に入っていきます。新しく舗装された道路ですが、すぐに工事中の区間があり未舗装道路が長く続きます。
山道からはサクティ村が見えます。奥の方にタクトク・ゴンパがあるのですが車窓からは確認できません。
、標高4200m地点の工事区間が一区切りして舗装道路になります。車窓からは山の斜面に細長く続く道路が見えます。
峠のチャン・ラに向けてTATAのバスが走っていきますが年代物のようでスピードが出ずにミニバンたちに追い越されていきます。
インド軍のトラックたちに遭遇します。
数十台の隊列を組んでいます。パンゴン・ツォ方面からレー方面に移動途中のようです。インドと中国の紛争地域に近付いていることを実感させてくれます。
標高5000mを越えると道路が未舗装区間になります。
道は悪いが天気が良ければ景色は良いというのがチャン・ラ周辺です。
、標高5200m地点で車両トラブルです。
ジャッキアップして左後輪を確認しています。どうやらサスペンションにトラブルがあるようです。
この修理時間中に欧米人のお姉さんはギターを弾いています。標高5200mで弾くギターは格別でしょうか。欧米人を含む一部乗客8人がヒッチハイクでパンゴン・ツォまで、先を急ぎます。
、マフラーから白煙を吹き出していますがサスペンションの応急処置が終わり出発します。白煙の量からしてエンジンも危ないような気もしますが頑張ってもらうしかありません。
、峠のチャン・ラまで直線距離で約800mの場所で再び故障です。
、欧米人たちがバスに見切りをつけて峠のチャン・ラに向けて歩き始めました。チャン・ラで昼食を食べてヒッチハイクのようですが、ここは標高5200mで峠のチャン・ラ(Chang La)は標高5360mです。距離が短いとはいえ注意していないと高山病の危険性もあります。
これでバスに残った外国人は私一人だけになりました。ドライバーさんは携帯でどこかと連絡を取りながら故障したバスと格闘中です。どうやらチャン・ラはBSNLのGSMだけ電波が届いているようです。
サスペンション故障は応急処置では対処できない状況でした。部品が破断していました。これではお手上げです。
、救援の新しいバスが来ました。サスペンションの交換部品も一緒に持ってきました。新しいバスに荷物の載せ替え、乗客たちは乗り換えてパンゴン・ツォに向かいます。故障したバスは部品交換をしてレーに戻るようです。
、荷物の能勢換えが完了して出発します。
、標高5360mの峠チャン・ラ(Chang La)を越えます。
チャン・ラの石碑だけ写真に収めておきます。
本来はパンゴン・ツォに到着している時刻ですが、車両故障で夕方に峠のチャン・ラを越えているので、これは完全に夜到着です。
峠のチャン・ラを越えて谷底には転落した車の残骸が放置されています。道がかなり悪く未舗装の悪路なので転落事故もあって当然でしょう。ラダック地方の自動車道の主だった峠はチャン・ラ、カルドゥン・ラ、タグラン・ラの3箇所がありますが、チャン・ラが一番の悪路、カルドゥン・ラは未舗装道路、タグラン・ラは整備された道路といった感じです。あくまでインド基準の話で、日本基準だとどれも酷道になります。
- チャン・ラ(Chang La) 5360m レー~パンゴン・ツォ
- カルドゥン・ラ(Khardung La)5359m レー~ヌブラ渓谷
- タグラン・ラ(Taglang La) 5328m レー~マナリ
、標高5000mまで下ったところで未舗装道路から舗装道路に変わります。
、標高3950mのタンツェのチェックポストに到着ですが誰もおりません。インド人観光客たちと一緒にパスポートとパーミットを持って奥の建物へ行くと人がおり手続きをします。
タンツェはパンゴン・ツォの出入口として重要な場所でチェックポストや戦車も配備されているインド軍の大きな基地もあるのですが、夜になるとチェックポストは閉まってしまい無人で誰でも自由に出入りできてしまう状況でした。本来は24時間警備でないといけない場所だと思うのですが、これだとパーミット無しやパンゴン・ツォ立入禁止のパキスタン人や中国人でも夜間に自転車で通過ということが可能です。スパイやり放題な状況でインドは大丈夫なのでしょうか?
、本来なら夕方には到着していたのですが、バスの車両故障でレーを出発して約14時間で標高4250mパンゴン・ツォ湖畔のスパンミク村に到着です。この後さらにメラクまでと思ったら、何とバスはスパンミク止まりでした。バスターミナルの時刻表にはメラクと書いてあるのですがスパンミクまでしか運行していませんでした。
仕方がないのでバスの駐車場の目の前にあるBARMA HOMESTAYでドミトリーを夕食・朝食付き1泊700ルピー(1120円)で宿泊します。部屋は4人ドミトリーでトイレ・シャワーは部屋の外になります。夕食はダル・ライスを頂きます。
、スパンミク村の電力供給停止で強制的に就寝になります。
項目 | 金額 | 備考 |
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宿泊費 | 700ルピー | – |
バス | 292ルピー | レー→パンゴン・ツォ |
合計 | 992ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:1587円 |