インド最北部の州になるジャム・カシミール州にあるラダック地方レーからヒマチャル・プラデーシュ州マナリまで1泊2日ローカルバスの旅に挑戦します。490kmの道のりを5000m級の峠2つ、4000m級の峠2つ、3000m級の峠1つと富士山よりも高い峠を5つ越えてマナリまで移動します。
1日目の旅程
レー(Leh)3500m 出発
ウプシ(Upshi) チェックポスト 3400m
タグラン・ラ(Taglang La) 5328m
パン(Pang)4500m
ラチュルン・ラ(Lachalung La) 5065m
ナキー・ラ(Nakee La) 4739m(4950m?)
サルチュ(Sarchu)チェックポスト 4300m
バラタプル(Bharatpur)4700m
バララチャ・ラ(Baralacha La) 4890m
ダルチャ(Darcha)チェックポスト 3400m
ケイロン(Keylong)3100m 宿泊
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
レー→マナリ.gpx
レー→マナリ.kml
早朝3時半レーからケイロンまでローカルバスで移動
、レーのバスターミナルになるNEW BUS STANDにやってきました。これから1泊2日でマナリ(Manali)まで移動しますが、まず1日目はケイロン(Keylong)行きバスに乗車します。すでに地元民の乗客が集まっております。NEW BUS STANDのJKSRTCのバスターミナルですが、運行はされるバスはHRTCになります。
こちらが時刻表になります。
チケットは前日に購入したのですがチケットオフィスでは販売しておりません。
運行しているバス会社が違うのでバスの車内で乗務員さんから直接購入します。チケットはケイロンまでのみの販売になります。
行き先表示は英語ではないので教えてもらわなければ分かりません。
こちらがレー→ケイロンのチケットです。レー発ケイロン行きのバスは早朝03:15集合、03:30にレーを出発、夕方ケイロン到着予定です。かなり過酷なローカルバスになりそうです。ケイロンまでの運賃は550ルピーでチケットオフィスの時刻・運賃表は680ルピーと表示されており何故か安くなっております。
、バスに乗車しますが掃除はされておらずゴミは放置され臭いです。座席は2列+3列のローカルバス仕様でかなり窮屈です。おまけに後ろの地元客は酒に酔っており独り言が多いのと酒臭いので困ります。
、ほぼ定刻通りにバスがケイロンに向けて出発します。手書きの550ルピーのチケットが回収され端末で印字されたチケットと10ルピーのお釣りが返ってきます。チケットには541ルピーと印字されており、これが本来の金額でお釣りが9ルピーになるはずが釣り銭がないので10ルピー返ってきたようです。
レーを出るとLeh-Manali Highwayを走っていきます。Leh-Manali Highwayは全長490km、タグラン・ラ(Taglang La) 5328mをはじめとする5つの峠を越えてジャム・カシミール州ラダック地方レーとヒマチャル・プラデーシュ州マナリを結ぶ道路です。
、標高3400mのウプシ(UPSHI)に到着、トイレ休憩とチェックポストでパスポート確認があります。チェックポストでは担当者3人が就寝中で乗務員さんが1人起こして台帳にパスポート情報を記入してもらいます。チェックポストといっても担当者が夜間就寝中となると簡単に素通りできてしまいます。
、バスがウプシを出発してタグランラ峠へ向かいます。
、夜も開けて辺りが明るくなってきました。
車内はまだほとんど乗客が寝ている状態です。
、標高5200mを越えてくると工事中の未舗装区間があり道が少し悪くなりますが道路状況はおおむね良好です。
、標高5328mの峠タグラン・ラ(Taglang La)を越えます。峠の道路は舗装されており通行に一切問題ありません。乗客の半分以上は寝たままで揺れも大したことありません。
タグランラ峠を少し下ったところで車両点検とトイレ休憩になります。この辺りの道路はガードレールとかは無く日本の道路と比べると安全対策はほとんど無い状態ですが舗装だけはしてあるので走行には支障ありません。
ツォ・カルとの分岐点を過ぎたあたりで1車線区間に変わり道路状況が悪くなっていきます。
、標高4500mのパン(Pang)で朝食休憩です。レストランが数軒集まっておりレーからマナリを行き交う車の重要な休憩場所になっているようです。
、パンを出発します。
パンを出ると峡谷の中を走っていきます。険しい地形で道路整備が追いついていないようで約30分間、道路は未舗装区間となります。
、標高5065mの峠ラチュルン・ラ(Lachalung La)を越えます。
、標高4739mのナキー・ラ(Nakee La)を通過しますが、GPSの高度は4950mになっており誤差にしては大きすぎます。どうも、石碑のフィート表示が間違っているような気がします。
ナキー・ラを越えるとTsarap Riverが流れる谷底に降りていきます。
、レー行きのバスとすれ違います。どうやらレー~ケイロンの中間地点まで来たようです。
隣の地元客がシラミ持ちのようで左半身が痒いです。インドのローカルバスは座席が2列+3列で車内が狭く隣の乗客と密着しますのでシラミをもらいやすいです。今回のバスは後ろが酒臭い乗客で左隣りがシラミ持ちの乗客でした。
、ジャム・カシミール州を出てヒマチャル・プラデーシュ州に入りました。
、標高4300mのサルチュ(Sarchu)チェックポストに到着です。
工事区間の悪路が約30分続いたり、新しい舗装道路が続いたりと道路状況の変化が激しいです。
、標高4700mのバラタプル(Bharatpur)に到着、テントによる仮設レストランが6軒集まった場所で昼食休憩です。すぐに撤収できるテントで営業なので雪で道路が閉ざされると営業終了と思われます。
、バスが出発します。
、標高4890mの峠バララチャ・ラ(Baralacha La)を越えます。このバララチャ・ラからスピティ地方の湖チャンドラ・タールまでのトレッキングルートがあり、約40kmを2泊3日で歩くコースとなります。マナリの旅行代理店に頼むとガイド、ポーター、馬、コック付きの本格的なツアーになります。このチャンドラ・タールはラムサール条約にも登録されています。
、標高3400mのダルチャ(Darcha)チェックポストに到着です。新しい橋が建設中で完成すればチェックポストも移転すると思われます。
、ダルチャを出発します。ケイロンが近づくにつれ周辺の景色も乾燥気候から湿潤気候の景色に変わり樹木や草が目に付くようになってきます。どうやらケイロン付近まではモンスーンの影響を受けて雨が多く降るようです。ケイロンから北へはモンスーンの雨雲は山を越えていかないようで乾燥気候のようです。
、標高3100mのケイロンのバスターミナルに到着します。明日のマナリ行きのバスチケットを購入しようと乗務員さんに訊ねたら、マナリ行きは早朝04:00発で別のバスになるということでした。レーからケイロンまで乗車したバスは明日レーに向かうという事でした。
バスターミナルにBOOKING OFFICEの表示がある窓口がありましたが誰もおらず閉まっておりチケットは乗車して購入する方式のようです。時刻表はありましたが、時刻表通りに運行されているかが怪しいです。
本日の宿はバスターミナルから徒歩1分の所にあるNEW GYESPA HOTELです。
1泊800ルピーのトイレ・シャワー付きのダブルルームです。シャワーはお湯がちゃんと出ましたので、バスで隣の席の地元客からもらったシラミを除去するために洗濯です。左足と左腕に赤い斑点がありシラミに喰われたようなのでしっかり洗います。
ケイロンに到着して気付いたのですがドコモのSIMカードが2ヶ月ぶりにAirtelの回線でローミングできています。代わりにレーで契約したAirtelのSIMカードが使えなくなりました。ニューデリーなどで契約したSIMカードはジャム・カシミール州では使用できず、逆にジャム・カシミール州のSIMカードはニューデリーや他の州では使用できないのです。インドにとってジャム・カシミール州はパキスタンや中国と領有権を争う紛争地ですので規制が敷かれています。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 80ルピー | – |
宿泊費 | 800ルピー | – |
バス | 540ルピー | レー→ケイロン |
合計 | 1420ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:2272円 |
2日目の旅程
ケイロン(Keylong)3100m 出発
ロタン・ラ(Rohtang La)3978m
マナリ(Manali)1900m
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
ケイロンからマナリまでバスで移動
、ケイロンのバスターミナルにやってきました。真っ暗な中に人のいるバスがあり訊いてみるとマナリ行きという事で乗車します。
、マナリ行きのバスが出発します。半分ほど席が埋まっており空席は15ほどです。途中で乗客を乗せながらマナリに向けてバスが走ります。
マナリまでの運賃は210ルピーになります。
、外が明るくなってきました。峠のロタン・ラ(Rohtang La)に向けて未舗装の道路を走っていきます。ケイロンからマナリの道路状況は工事中の区間が多く良好とはいえません。カルギル~ザンスカール間のようにバスはかなり揺れます。
、標高3978mの峠ロタン・ラ(Rohtang La)を越えます。
、峠を下っているところでバスが停車します。原因不明ですが交通規制が敷かれています。
標高3500m地点からは残り40kmの道のりで到着するマナリの町が見えており、ここで足止めというのは痛いです。
、交通規制が解除になったようでバスが動き始めます。交通規制の原因は土砂崩れの復旧作業でした。
、マナリ中心部のバスターミナルに到着です。マナリのバスターミナルは2カ所ありマナリ中心部のニューマナリと呼ばれる地区にあるバスターミナルとニューマナリの南にあるプライベートバススタンドと呼ばれるバスターミナルがあります。
今回はローカルバスやHRTCのバスが乗り入れているマナリ中心部のバスターミナルに到着です。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
バス | 210ルピー | レー→ケイロン |
合計 | 210ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:336円 |