インド最北部の州になるジャム・カシミール州ラダック地方にやってきました。チベット文化圏のラダック南東部、標高4500mの中国との国境地帯に近い辺境の地に南北19km、東西3kmの広さを誇る天空の湖ツォ・モリリがあります。今回のアジアバックパッカートラベルではレーから月3便だけのバスを利用して天空の湖ツォ・モリリを目指します。ツォ・モリリはインド・中国国境に近く領土問題を抱える紛争地域に近いため許可証のインナーライン・パーミット(Inner Line Permit; ILP)をレーの旅行代理店で手配しております。
レー(Leh)3500m 出発
ウプシ(Upshi)チェックポスト 3400m
マヘ(Mahe)チェックポスト 4100m
キアガルラ峠(Kiagar La) 4800m
コルゾック(Korzok)4200m 宿泊
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
レー→ツォ・モリリ.gpx
レー→ツォ・モリリ.kml
レーから月3便だけのバスでツォ・モリリへ移動
、レーのバスターミナルNEW BUS STANDにやってきました。Jammu & Kashmir Road Transport Corporation(JKSRTC)が運行する06:30発のツォ・モリリ行きのバスに乗車します。
こちらはバスの時刻表ですが、ツォ・モリリ行きのバスは毎月10日、20日、30日の月3便だけ運行のバスで、ツォ・モリリ到着後は翌朝07:00発のレー行きのバスになります。
運賃は401ルピー(642円)になります。チケットは前日に購入しておきました。
こちらは行き先は出ていませんがパンゴン・ツォ行きのバスです。本日は火曜日でパンゴン・ツォ行きのバスも同時刻の出発です。当日のこの時間でもパンゴン・ツォ行きのチケットを購入している地元民がおり、パンゴン・ツォ行きのバスには空席があるようです。
06:30、ツォ・モリリ行きのバスが到着、乗車します。行き先表示無しで座席は2列+3列、36人乗りの一番グレードの低いTATAのバスです。
、屋根に荷物を載せたり乗客が遅れてきたりして、47分遅れで出発します。06:30発だったのですがインドのローカルバスは時刻表通りには発車しないようです。ツォ・モリリ行きのバスには外国人が10人乗車しており月3便の運行でも人気があるようです。
、チョグラムサルのガソリンスタンドに立ち寄ります。軽油1L72.5ルピーで75L給油します。パンゴン・ツォ行きのバスも給油に立ち寄っています。
、チョグラムサルに到着です。ちょうどティクセイ行きバスの発車場所近くに停車、大勢の地元民が乗車してきます。前方ではパンゴン・ツォ行きバスも停車中です。
、荷物を載せ終わり出発します。ヌブラ渓谷のディスキット→トゥルトゥクのバスのような座れないというような乗客はおらず意外にも混雑はひどくないです。地元民の乗り降りがありながらインダス川沿いにバスが走ります。
、標高3380mのカルー(Kharu)を通過します。
、標高3400mのウプシ(Upshi)のチェックポストに到着、パスポートとパーミットを持って手続きに行きますが、試しにパーミットだけ提出してみるとパスポート確認は無しでした。
ウプシで朝食・トイレ休憩になります。トイレに関しては各自その辺で立ち小便になります。ウプシはレー方面、ツォ・モリリ、ニョマ、ハンレ方面、タグランラ峠、マナリ方面の分岐点になります。
チェックポストを50mほど過ぎたウプシ中心部に分岐点がありますので、レーから来てマナリ行きと申告すればパーミット無しで通れてしまいます。ですので、そのままパーミット無しでツォ・モリリ、ニョマ、ハンレ方面へ行けてしまいます。峠のタグランラ(Taglang La)5328mを越えた所にもツォ・モリリ方面への抜け道がありますのでウプシでのパーミット確認の効果は少々疑問です。
、ウプシを出発、ツォ・モリリ、ニョマ、ハンレ方面のインダス川沿い道を東へ進みます。出発時に乗客の人数確認はしていないので置いて行かれる可能性があります。次のチェックポストのあるマヘまで約110kmの道のりです。
車内は適度な混雑で平穏無事と言いたいところですが、窓からインダス川へのゴミのポイ捨てが散見されます。地元民には環境教育が行き届いておらずバスの窓からのゴミのポイ捨ては当たり前のように行われていました。ゴミのポイ捨てが目の前で行われる度に欧米人観光客の顔が歪むのが印象的です。私は当然ですがゴミはレーまで持ち帰りです。レーにゴミ焼却場があるのかは怪しいのですが。
、標高3600mを越えてきました。道路状況は時折工事区間があり未舗装になりますがおおむね良好です。
、標高4000mのチュマタン村に到着、トイレ休憩と数人の乗客が乗り降りします。バスが出発してツォ・モリリを目指します。
、標高4100mのマヘ(Mahe)チェックポストに到着、パスポートとパーミットを持って手続きに行きますが、ウプシに続いてここでもパーミットだけ提出するとパスポート確認はありませんでした。マヘのチェックポストは外のゲートには警察官はおらず建物に籠もっておりゲートも開いたままでしたので、自転車なら気付かれずに通り抜け可能な状態です。
、標高4400mのスムド村(SUMDO)の外れのTSOMORIRI RESORT HOTELで昼食休憩です。リゾートホテルと言っても売店に宿泊施設が付いているレベルです。
、昼食を終えて出発します。
、標高4800mの峠キアガル・ラ(Kiagar La) を越えます。
キアガル・ラを越えると標高4705mの塩湖キアガル・ツォ(Kyagar Tso)が見えてきました。
、標高4200mコルゾック村(Korzok)の入口にあるITBPのチェックポストに到着です。パスポートとパーミットを持って手続きに行きます。さすがにコルゾック村のITBPはしっかりしておりパスポートとパーミットの両方の確認がありました。
、レーからツォ・モリリ湖畔のコルゾック村まで約210kmの道のりを約8時間で到着です。宿探しは村の中心部になるコルゾック・ゴンパ周辺にゲストハウスが数軒、ツーリストキャンプも数軒ありますし、村の中を歩いているとゲストハウスのオーナーたちに声を掛けられます。
今回はコルゾック・ゴンパの前にあるゲストハウスを狙っていったのですが休業で閉まっています。
仕方がないので1分ほど路地を歩いた所にあるCRANE GUEST HOUSEにします。部屋は1泊1000ルピー、トイレ付きダブルルームで夕食付きです。電力は既にこの時間でも供給されていました。水道の水はちゃんと出ていました。
コゾック・ゴンパ
バスはコゾック・ゴンパの前に駐車しており明朝レー行きのバスになります。
本日はコルゾック・ゴンパでお祭りが行われており民族衣装を着た村人が大勢集まっております。人が多すぎますのでコルゾック・ゴンパは後回しにします。
ラムサール条約登録の湖ツォ・モリリ
コルゾック村の展望台にやってきました。展望台からはツォ・モリリが見渡せますが、南北19kmの湖ですので見えるのは湖の北側だけです。
2002年にラムサール条約に登録された南北19km、東西3kmの湖。湖の周囲を5000級、6000m級の山々に囲まれており、湖の北西岸にコルゾック村があり湖東岸にインド軍の基地が置かれています。
展望台からツォ・モリリ、コルゾック村やコルゾック・ゴンパをしばらく眺めています。
展望台からコルゾック村の南にあるView Pointに向かいます。村を出ると青空とツォ・モリリが見えます。湖面に鏡のように雲が映し出されています。
ツォ・モリリに来たからには、こういった風景を見なければ来た意味がないですね。
、コルゾック村の南にあるView Pointにやってきました。チベット仏教の祈祷旗タルチョが目印です。
天気は晴れで青空もそこそこあります。ツォ・モリリの湖面の青さもまずまずです。画像だけ見ると、まあまあの条件で撮影できたように見えますが背後の山々に灰色の雲がかかり曇り空になっています。
今回はView Pointからさらに斜面を登り高い位置からツォ・モリリを撮影します。
ツォ・モリリの対岸にはインド軍の基地が見えます。ツォ・モリリから南東へ約30kmで中国の支配地域、インド・中国の紛争地域になります。チベット文化圏のラダックを守るためにこのような辺境の地にまでインド軍が展開しています。
標高4500mのツォ・モリリの周囲には真夏の7月でも雪の残る山が多数あります。
ツォ・モリリは周囲を5000m級、6000m級の山々に囲まれており真夏でもしっかりと雪化粧した山が見られます。
このツォ・モリリから南へ進むと約75~85km離れたスピティ地方キッバル(Kibber)やカザ(Kaza)へ抜けることが出来ます。昔は交易ルートだったと思われますが、現代ではトレッキングルートになっており、ガイド、馬、料理人たちを雇って10日ほどで抜けるようです。
Parang La Trek – Kibber to Korzok
Rumtse to Kibber trek via Tso Moriri
、コルゾック村に戻ってきました。
再びコルゾック・ゴンパにやって来ました。お祭りはやっておりますが本堂からお経が聞こえてきて雰囲気的にはお祭りは終盤のようです。
地元の人達は民族衣装を着ておりチベットの雰囲気が感じられますがラサとは少し違っており、ラダック地方独特の衣装でしょうか?
、ツォ・モリリの星空撮影をします。コルゾック村はツーリストキャンプがあり夜でも照明を使っており意外と明るいです。
星空は天の川銀河が見えており日本では見られない壮大な星空に感動します。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 1000ルピー | – |
バス | 401ルピー | レー(Leh)→コルゾック(Korzok) |
合計 | 1401ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:2242円 |
2日目の旅程
コルゾック(Korzok)4200m 出発
キアガルラ峠(Kiagar La) 4800m
マヘ(Mahe)チェックポスト 4100m
ウプシ(Upshi)チェックポスト 3400m
レー(Leh)3500m
*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。
ツォ・モリリ→レー.gpx
ツォ・モリリ→レー.kml
ツォ・モリリ(コルゾック)からバスでレーまで移動
、早朝のツォ・モリリを散策してみますが、天気が曇りで青い湖面は見られず。
、コルゾック村の中心にあるコルゾック・ゴンパにやってきました。ゴンパ前には07:00発レー行きのバスが駐車されています。
既に欧米人1人が乗車中です。帰りの席は先着順ですので早めに確保しないと行けません。
、レー行きのバスが出発します。ツォ・モリリ湖畔のコルゾック村からの乗客は全員で15名です。運賃回収がありレーまでの運賃は401ルピーになります。ただし、中途半端な運賃設定にしておいて釣り銭が出ないので乗客と乗務員のトラブルが発生します。これはバス会社の運賃設定ミスと言いたいのですが、インドなので仕方がないとも言えます。
、コルゾック村を出ます。村の出入口にあるITBPのチェックポストでのチェックは無しです。以前参加したツアーの時は村を出る際にもパーミット提出があったのですが、バスの場合は無しのようです。
、標高4400mのスムド村(Sumdo)の外れにあるTSOMORIRI RESORT HOTELに到着、ここで朝食休憩になります。
、休憩を終えてバスが出発します。
スムド村のツォ・モリリ方面、マヘ、ニョマ方面、トゥクジェ、タグランラ峠方面の分岐点で乗客4人が乗車してきます。
、インダス川の橋を渡りマヘ(Mahe)のチェックポストに到着、帰りは特に手続きは無しです。地元民が5名ほど乗車してきます。チェックポストがツォモリリ方面、ウプシ、レー方面、マヘ、ニョマ方面の分岐点になりインダス川沿いのウプシ、レー方面の道を進みます。
、インダス川沿い標高4000mのチュマタン村に到着、休憩になります。
このチュマタン(Chumathang)は温泉のある村で宿泊施設が数軒あるようです。
、休憩を終えてバスが出発します。再びインダス川沿いにウプシ、レー方面の道を進みます。
、標高3400mのウプシに到着、ここで昼食休憩になります。
、休憩を終えてバスが出発します。レーに戻るのでチェックポストは素通りです。
、レーのバスターミナルNEW BUS STANDに到着です。ツォ・モリリ(コルゾック)からレーまで約210kmの道のりを所要時間約8時間で走破です。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
バス | 401ルピー | ツォ・モリリ→レー |
合計 | 401ルピー | 1ルピー≒1.6円 円換算:642円 |