インド・ラダック旅行記 秘境ザンスカール①1泊2日の長距離バスでレーからザンスカールまで1日目

National Highway 1

インド最北部のジャム・カシミール州にあるラダック地方南西部にある秘境ザンスカール。チベット文化圏に属するザンスカールには多くのチベット仏教寺院のゴンパが残っています。今回はラダックの中心地レーから陸路をバスでカルギルを経由して1泊2日かけてザンスカール中心地の町パドゥムまで移動します。

1日目の旅程
レー(Leh)3500m 出発
ザンスカール川・インダス川合流地点 3200m
カルシ(Khalsi)チェックポスト 2980m
スクルブチャン(Skurbuchan)3000m
サンジャク(Sanjak)2800m
チクタン(Chiktan)3300m
ナミク・ラ(Namika La)3700m
カルギル(Kargil)2700m 宿泊

*ルートは実際にGPSで収集したデータを使用しています。

ザンスカール行きバスでレーからカルギルまで移動

ザンスカール行きバス

ザンスカール行きバス

、レーのバスターミナルNEW BUS STANDにやってきました。まだ夜明け前で周囲は真っ暗ですがザンスカール行きのバスに乗車します。

ザンスカール行きチケット

ザンスカール行きチケット

前日の夕方にザンスカール(パドゥム)行きのチケットを購入しており運賃は880ルピー(1408円)になります。

集合、バスはレー発、カルギルで1泊してザンスカール(パドゥム)翌夕方到着予定です。

時刻表

時刻表

こちらがバスの時刻表です。

ザンスカール(パドゥム)行きのバス

ザンスカール(パドゥム)行きのバス

こちらは昼間に撮影しておいたザンスカール(パドゥム)行きのバスです。

チケット窓口

チケット窓口

このザンスカール(パドゥム)行きバスは早朝の05:00発なので利便性に欠ける部分がありチケットは比較的買いやすいのですがザンスカールで何かイベントがある場合は、この様に朝からチケット窓口に行列が出来ていたりします。

バス車内

バス車内

、10分遅れでザンスカール行きのバスが出発します。座席は42席ですが最後部5席は荷物置き場になっており実質37席、2列+3列の構成です。空席は6席、乗客は私と欧米人のお姉さん、アジア人のお兄さんを除いて全員が地元民です。長距離バスなのですが降車ボタンがあったりと路線バスの仕様なのですが、バスターミナルにあるバスの中では一番きれいな状態です。画像は夜が明けてからの車内です。

バスはNH 1(National Highway 1)を西へと走っていきます。レーを出る頃には辺りは明るくなってきます。
、ピャン・ゴンパとの分かれ道の前を通過します。
、インダス川とザンスカール川の合流地点を通過します。
、リキル・ゴンパとの分かれ道の前を通過します。
、リゾン・ゴンパとの分かれ道の前を通過します。
、ヘミススクパチュンとの分かれ道の前を通過します。
、ティンモスガンとの分かれ道の前を通過します。

ザンスカール(パドゥム)行きのバス

ザンスカール(パドゥム)行きのバス

、インダス川の畔で5分間のトイレ休憩です。

インダス川

インダス川

乗客たちはインダス川の岩陰で用足しをしたり、インダス川を背景に記念撮影したり様々です。

レー~カルギルの中間地点カルシ

カルシで休憩

カルシで休憩

、標高3000mのカルシ(KHALTSI)で朝食休憩です。カルシはレー~カルギルの中間地点になり、チェックポストのある村です。ダー方面へ向かう場合はパーミットをチェックポストで提出します。ラマユル、カルギル、ザンスカール方面へ向かう場合はパスポート確認のみになります。

ILP不要なのにチェックポストで通行許可が出ない

、朝食休憩を終えて出発、村の西外れにあるチェックポストに向かいます。5分足らずでカルシの西外れにあるチェックポストに到着します。パスポート確認のために一旦バスを下車してチェックポストの建物へ。ここで2つの重大な事実が判明します。

「今日はラマユルまでの道路は閉鎖で明日にならないと行けない」ということでラマユル行きのアジア人のお兄さんがバスを降ろされます。お兄さんは徒歩でラマユルまで行こうとしますが、道路は車両だけでなく人の通行まで通行止めでチェックポストでレー行きのバスを待つことになります。

欧米人のお姉さんはサンジャク渓谷(Sanjak Valley)まで行くということなのですが、サンジャク渓谷はインド・パキスタン停戦ラインのダー方面でお姉さんはダーのパーミットを持っていなかったのでミリタリーポリスの担当者からレーでのパーミット申請の説明を受けてチェックポストでレー行きのバスを待つことになります。ザンスカール行きのバスに乗車していたということはラマユル~カルギルの途中にあるKhangraiで途中下車して北上する計画だったようです。

ザンスカール行きの私に関しては、カルギル、ザンスカール、シュリーナガル方面はパーミット不要でパスポート確認だけのはずが、今日に限って迂回路としてインド・パキスタン停戦ラインに近くのダー方面インダス川のAryan Valleyを通るのでダーのパーミットが必要になっていました。幸いこの日が有効期限のダーのパーミットを持っていたのですが、パーミット申請をした旅行代理店の人が注意事項で言っていた通りダーのパーミットを持っていても1人だと駄目ということで、欧米人とアジア人の2人と同様にバスを降ろされます。

ここで追い返されてしまうと予定が狂ってしまうので、バスの乗務員さんに「カルギル、ザンスカールはパーミット不要、ダーには行かない」という説明したら、乗務員さんがもう一度訊きに行ってくれました。そして、ミリタリーポリスの担当者が出てきてパスポートとパーミットの原本を確認、今日が有効期限のダーのパーミットのコピーを提出して通過許可が出ました。

一度バスを降ろされましたが再びバスに乗車します。ザンスカールに行くのダーのパーミットが役に立つとは思いませんでした。

インド・ラダック地方レーで有効期間15日間のパーミット(ILP)を申請する

2019年8月3日
後で分かったことですがカルシ~ラマユルの道路封鎖は1週間前の8月5日に発表されたジャム・カシミール州の自治権剥奪が関係していました。イスラム教徒が多数派を占めるカルギルで自治権剥奪に対する抗議活動が起きており一時的にカルシ~ラマユル間の道路封鎖が行われたようです。ただし、カルギル~カルシではなく、一部区間のカルシ~ラマユルだけというのは不可解な点です。

自治権剥奪「カシミール」住民「怒りの肉声」

カシミールの自治権剥奪 印パ対立激化も

ダー方面インダス川沿いAryan Valley

、カルシのチェックポストを出発します。ラマユル、カルギル方面、ダー方面、レー方面の分岐点に差し掛かります。通常ならザンスカール行きのバスはラマユル、カルギル方面のNH 1(National Highway 1)を進むのですが、今回に限りインダス川沿いダー方面のAryan Valleyへ入っていきます。インド・パキスタン停戦ライン近くインダス川沿いのダー方面Aryan Valleyではダーのパーミットが必要なわけです。

アプリコット

アプリコット

、Aryan Valleyをインダス川沿いにバスが西へ走り標高3000mのスムダチュン村を通過します。スムダチュン村はチベット仏教寺院のスクルブチャン・ゴンパがあることで知られております。インダス川沿いのこの辺りはアプリコットの栽培が盛んで、ちょうど収穫時期を迎えたアプリコットをバスの乗客が勝手に収穫して車内で試食会をやっています。

アプリコット

アプリコット

アプリコットが黄色から赤に熟しており食べ頃なのでしょう。

サンジャク渓谷~カルギル

インダス川

インダス川

、サンジャク渓谷の北の入口になるサンジャク村が近づいてきました。ここがサンジャク渓谷方面、Aryan Valleyダー方面、カルシ方面の分岐点になります。インダス川に架かる橋を渡りサンジャク村を通過し、ここでインダス川とお別れになり進路を南に変えサンジャク渓谷へ入っていきます。

サンジャク渓谷

サンジャク渓谷

サンジャク渓谷は道路が道幅が狭く未舗装の部分があり道路状況はあまり良くありません。

チクタン

チクタン

、サンジャク渓谷の中間地点になる表高3300mのチクタン(Chiktan)村を通過します。

National Highway 1

National Highway 1

、サンジャク渓谷を抜けてKhangraiに到着、NH 1(National Highway 1)に出て進路を西に変えてカルギルに向かいます。これで迂回路から通常のルートに入りました。ダー方面の迂回路で2時間はロスしているので、ここからカルギル、ザンスカールまでどれぐらい時間を取り戻せるか。

Khangraiから標高3700mの峠ナミク・ラ(Namika La)を越えると下りの急勾配がしばらく続きます。路面状況は良いのですがカーブの連続でバスが左右に揺れます。

昼食休憩

昼食休憩

、標高3300mの村で40分の昼食休憩とトイレ休憩です。トイレは乗客たちがその辺の川で用足ししていたので私も川で用足しです。

イスラム教徒の町カルギル

カルギル

カルギル

、カルギルの町が見えてきました。ガソリンスタンドに立ち寄り軽油を給油します。1L70.54ルピーで110Lを給油、これでザンスカールまで往復できるようです。

、カルギル中心部の橋を渡ります。橋を渡った所のザンスカールとシュリナガールの分かれ道で10人ほどが下車します。

カルギル

カルギル

、ザンスカール方面に少し走った所で残りの乗客全員が下車します。乗務員さんが「明日の朝3時にここに集合!」と説明、今日はカルギルまでの運行でバスを降ろされます。そのままザンスカールまで夜通し走ることはせずにカルギルで1泊です。

HOTEL RANGYUL

HOTEL RANGYUL

とりあえずスマホでMAPS.MEを見てホテルを探し、近くにあったHOTEL RANGYULに飛び込みで部屋があるか訊いてみます。Wi-Fi、トイレ・シャワー付きダブルルームが1泊1200ルピー(1920円)だったので、他を探すのも面倒なのでここに決定します。ザンスカールに行くので早朝3時チェックアウトというのを伝えて支払いを済ませておきます。念の為にバスターミナルを確認しにカルギルの町を歩いてみます。

カルギル・バスターミナル

カルギル・バスターミナル

、カルギルのバスターミナルに到着、BOOKING OFFICEでレー行きのバスを確認すると毎朝05:00発との事でした。

バスだけでなくトラックターミナルにもなっています

バスだけでなくトラックターミナルにもなっています

バスターミナルと言ってもバス以外にもトラックのターミナルにもなっていたり、タクシースタンドもあります。

バスターミナルからカルギル中心部へ歩いてみますが、やたらとミリタリーポリスだかの警杖を持った治安部隊が多いです。カルギルはイスラム教徒が多数派を占める町ですので自治権剥奪の影響で緊迫感があります。町の中を撮影する雰囲気でもないし、カルギルでは外国人の私は物凄く目立っているので大人しくしていた方が良さそうです。バスターミナル近くで夕食を食べてホテルに戻り明日に備えに就寝です。

旅行費用
項目 金額 備考
食費 280ルピー
宿泊費 1200ルピー
バス 880ルピー レー→ザンスカール(パドゥム)
合計 2360ルピー 1ルピー≒1.6円
円換算:3776円
National Highway 1