世界三大紅茶ダージリンティーで知られるインド・ダージリンに来ました。茶畑と世界遺産ダージリンヒマラヤ鉄道を見ましたので次の目的地インドの首都デリーへ向かいます。ダージリンからデリーまでは乗り合いジープと鉄道を利用するインド横断の移動になります。
乗り合いジープでダージリンからニュージャルパイグリ
ダージリンからシリグリ(Siliguri)のニュージャルパイグリ駅(NEW JALPAIGURI)へ移動してニューデリー行きの列車に乗車します。早朝にユースホステルをチェックアウトして乗り合いジープ乗り場へ向かいます。ダージリン駅を通りチョウラースターへの坂道を上っていきます。
、ダージリンのシリグリ(Siliguri)、ニュージャルパイグリ(NEW JALPAIGURI)行き乗り合いジープ乗り場にやってきました。この時間でも乗り合いジープがおり、「Siliguri、NJP」と声をかけてきます。さっそくドライバーさんに料金確認です。NJPまで1人200ルピー(340円)ということで乗車してまちます。
私が朝一番の乗客ですので他の乗客が集まるまで待機になります。
、乗客が5人集まり出発します。真ん中の3列シートに4人座り、助手席1人になります。まだ満席にはなっていませんので乗客を拾いながらニュージャルパイグリへ向かいます。
途中で乗客11人になり定員オーバーで山を下っていきます。標高1000m付近まで下りてくると雲のない青空が広がっておりダージリンとはかなり違っています。気温も上がって半袖のTシャツでちょうど良いくらいの気候です。
、トイレ休憩で売店で10分休憩です。
乗り鉄1465km!鉄道でニュージャルパイグリからニューデリー
、ニュージャルパイグリ駅に到着します。200ルピーをドライバーさんに支払い駅へ向かいます。ダージリンを早く出発したので予想していたより早くニュージャルパイグリ駅に到着してしまいました。
これから乗車するニューデリー行きの列車は発ですので、まだ約3時間ほど時間があります。駅周辺を探検したいところですが、ダージリンとは違い真夏の暑さですので駅のホームで列車を待つことにします。
ホームへ向かう途中の跨線橋からインドの機関車を撮影しておきます。インドは線路幅が広いので機関車も大きいです。
今回乗車する列車情報は以下の通りです。
TRAIN NO. | 12423 |
---|---|
TRAIN NAME | DBRT RAJDHANI EX |
全区間 | DIBRUGARH TOWN → NEW DELHI |
全区間 距離 |
2433km |
全区間 所要時間 |
37時間45分 |
乗車駅 | NEW JALPAIGURI 13:15発 |
目的地 | NEW DELHI 10:20着 |
乗車距離 | 1465km |
所要時間 | 21時間05分 |
座席等級 | 3A(エアコン付き3等寝台) |
料金 | 3100ルピー(5270円) |
ニュージャルパイグリ13:15発、ニューデリー10:20着になります。途中駅からの乗車ですが距離は1465kmになり、寝台特急北斗星の1214.7kmよりも長距離です。
、駅の電光掲示板を確認しますが、ニューデリー行きの列車の到着ホームが表示されておりません。インドの鉄道は到着直前まで到着ホームが確定しないので油断できません。跨線橋で駅の放送に注意を払っているとニューデリー行きのTrain No.12423 DBRT RAJDHANI EXの放送があります。駅の放送だと発車は3番線になりホームへ移動します。
インドの定価販売MRP制度
ニューデリーまで1465kmの移動になりますので長期戦に備えて駅ホームの売店でミネラルウォーター 2L 30ルピー(51円)を購入します。
インドは日本のメーカー希望小売価格に似たMRPという制度があります。MRPは「この価格以下で販売してください」という意味になり販売店の最高価格になります。販売店で値札がない場合は、このMRPが建前上の販売価格になりますが実際守っていない店も多くあります。今回のミネラルウォーター 2L 30ルピーはラベルに表示されていたMRPの価格になります。
インドで買い物するときはMRPが設定されているか確認することでボッタクリに遭う確率を下げられます。ボッタクリの話が多いインドでも定価販売に似たような制度があるのです。このMRPはお隣のネパールにもあります。
DBRT RAJDHANI EXに乗車
、Train No.12423 DBRT RAJDHANI EXが入線してきます。到着予定なのですが10分の早着です。インドの鉄道は列車番号だけでなく列車名がひとつひとつに付いているのが特徴です。列車名が付いているのは非常に嬉しいところですがヘッドマークが無いのが惜しいところです。
ニュージャルパイグリは停車時間の長い大きい駅ですので乗降客も多いです。
今回のきっぷは3Aですのでエアコン付き3等寝台になり日本で例えるとB寝台に近い等級です。列車に乗車すると混雑しています。そして、私の寝台(昼間は座席)にインド人がおりましたのできっぷを見せて退いてもらいます。
今回の寝台は通路側2段ベッドの下段になります。3Aは3段ベッドが基本なのですが通路側のベッドは2段になります。インドの鉄道は日本と比較すると線路幅が広く車両が大きいので通路側にも寝台があります。
寝台を確保したのですが昼食時で床に食べ終わった昼食のトレーが散乱しております。インドの鉄道では食事付きの列車は高級だと聞いていたのですが、どうやら間違いのようです。
この散乱したトレーを食事担当の乗務員さんが片づけていきます。乗務員さんが片づけた後でもアルミホイルなどの残骸が残り車内はお世辞にもきれいとは言い難いです。床にはとてもではありませんが荷物を置くことはできません。
、定刻通りニュージャルパイグリを出発します。発車後に乗務員さんがミネラルウォーター 1L 15ルピー(25円)を持ってきてくれました。ミネラルウォーターがきっぷに込みだったようです。これなら駅の売店で買う必要はなかったです。さらにニュージャルパイグリからの乗客にも昼食が出ました。時間帯からして昼食は出ないと思っていたのですが意外です。
インドの鉄道の昼食
昼食はご飯、豆スープ、カレー、ヨーグルトになります。ターリーといったところでしょうか?昼食付きなのはよいのですがテーブルがないのでベッドに直置きで食べます。正直言って食べにくいですし食後の後始末が大変なので私は食事無しの列車の方がよいですね。この後、デザートにアイスクリームまで配られました。食後に車内検札がありきっぷの確認があります。
その後は警察官2人の巡回がありますが女性警察官が自動小銃を携帯しています。いくらインドの鉄道が車両が大きいとはいえ自動小銃は過剰装備に思えます。インドの鉄道はそれほど危険なのでしょうか?インドの鉄道は警察官が乗車していますが発車駅から終着駅までずっと乗車ではないようです。駅ごとで別の警察官に変わっているので交代制のようです。
、食事担当の乗務員さんが3時のおやつの注文を取りに来ました。列車は南へ走りネパールとバングラディシュに挟まれた国境地帯を抜けていきます。速度は100km/h程度で日本より線路幅が広い割に速度が出ていません。日本の普通列車と同程度の速度です。
インドの鉄道はティータイムもある
15:30、おやつの時間でサンドイッチや紅茶が出ました。おやつが出るのは良いのですが問題はおやつの食べ終わった後に床にトレーが山積みになるのです。食事係の乗務員さんが片付けに来るのですが車内が一時的に荒れます。
ここで気付いたのですが3Aのきっぷを持つ私ですが今回は通路側の2段ベッドの下段です。昼間は座席として使用するので上段ベッドの乗客も座ります。ですが、上段ベッドには1人寝ているのですが目の前に何食わぬ顔でインド人のおじさんが座っています。このおじさん誰でしょうか?上段ベッドの乗客ではないのは確かなのですが、どの寝台の乗客でしょうか?他の寝台の乗客はほとんどがシーツを敷いて寝ていますが、私はこの謎のインド人のおじさんがいるおかげでシーツを敷いて眠ることができません。
、KATIHARに到着です。時刻表ですと16:10到着なのですが15分の早着です。KATIHARは大きな駅のようで停車時間25分の16:35発になっています。15分早着ですので実際には40分の停車になります。
KATIHARは途中の大きな駅になり給水作業を行っているのがみられます。各客車にホースをつないで給水しますが、この給水作業がインドの鉄道では重要で老朽化して漏水している客車では給水が行われないと途中で断水してトイレの水が流れなくなります。
インドの鉄道は遅れるのが当たり前なのですが、DBRT RAJDHANI EXは早着して定時発車していました。インドの鉄道でも頑張っているところもあるようです。しかし、ニューデリーに近づくと列車の本数が増えて混雑してきますので油断できません。
KATIHARを出ると100km/hほどの速度で西へと進路を変えて農村地帯を走り抜けていきます。
、食事係の乗務員さんが夕食の注文を取りに来ました。インドは菜食主義者が多いのでほとんどが「Veg」と答えています。私も無難に「Veg」と答えておきます。
インドの洗礼・手強いWaiting Listの乗客
17:30、目の前の謎のインド人のおじさんの正体がわかりました。上段ベッドの乗客の連れなのですがきっぷの座席がキャンセル待ちのWL(Waiting List)になっていました。しきりに上段ベッドと交換しないかと言ってきたのですが景色が見えない、GPS信号が弱くなる上段ベッドは困ります。
断っていたら乗務員さんまで呼んで交換するよう言ってきますが、ここで英語で答えると罠に掛かってしまいます。ここはインドですので英語は一切話さず断り続けます。そもそも私が譲る理由がありません。他のインド人の乗客と交渉した方が言葉が通じて楽なはずです。外国人の私だとすぐに折れると思ったのでしょうか?
英語を一切話さず(もともと英語できませんが・・・)頑張って抵抗した甲斐があり乗務員さんがいなくなり、きっぷがキャンセル待ちのWL(Waiting List)のインド人のおじさんは連れのいる上段ベッドで2人で寝ることになりました。しかし、きっぷがキャンセル待ちのWL(Waiting List)でも乗車できているので、本来は乗務員さんが空いている寝台を割り当ててくれるはずなのですが、寝台に空きが無くても乗車できてしまうということでしょうか?
インドの鉄道の夕食
、夕食前にお菓子が配られます。なぜ食前にお菓子なのかは不明ですが頂きます。食事付きの列車なのは嬉しいのですが食後に車内がゴミで荒れるというのがインドの鉄道の欠点のようです。食事を廃止して食べたい乗客だけ食堂車での食事に切り替えた方が良いかと思ったのですが、食堂車で食事中に荷物が無くなるのを警戒してわざわざ食事を運んでくる方式なのでしょうか?
、夕飯が配られます。昼食と似たような感じでご飯、カレー、豆スープ、ヨーグルトになります。
食後は通路にトレーが散乱しており荒れております。乗客は何の躊躇もなく通路にトレーを置いているのですが、私は食事係の乗務員さんが片付けに来るまで寝台の上にトレーを置いて待ちます。インドの鉄道は乗るだけでも大変という話を聞いていたのですが、話以上にすごいです。
、眠くなりましたので早めに寝ます。この後に食後のデザートにアイスクリームが配られましたが私は寝ていたのでアイスは無しでした。
項目 | 金額 | 備考 |
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食費 | 30ルピー | – |
交通費 | 200ルピー | 乗り合いジープ ダージリン→ニュージャルパイグリ |
合計 | 230ルピー | – |
インド・ダージリンからニューデリーまでのGPSデータ
こちらはインド・ダージリンからニューデリーまで乗り合いジープ・鉄道で移動した際に収集したGPSログです。Google マップに取り込んで表示させていますので、実際にどこから出発してどこに到着したかが分かります。下記リンクからはGPXファイルとKMLファイルがダウンロードできますので、Google EarthやGPS機器に取り込んで使うということもできます。