ウクライナには大きく分けて7つの世界遺産があります。今回は首都キエフから西へ約500km離れたポーランド国境に近い世界遺産の街リヴィウまで鉄道で移動します。
キエフ地下鉄はトークンだけでなくQRコードまで導入していた
、ホステルをチェックアウトして地下鉄でキエフ旅客駅のあるボグザリナ駅へ向かいます。まずは券売機でトークンを購入します。キエフ地下鉄は全区間が均一運賃の5フリヴニャ(21円)で格安です。
券売機からトークンが出てくると思ったらQRコードが印刷されたレシートが発券されました。一部の駅の券売機は更新されてQRコードで発券されるようになっていました。道理で券売機が新しいわけです。改札機もQRコード対応ですのスキャナーにかざすだけです。QRコードのレシートはそのまま記念品に持ち帰れます。
エスカレータで旧ソ連圏の地下鉄おなじみの地下深くのホームへ移動します。冷戦時期のアメリカとの核戦争を想定しての地下シェルター機能を併せ持ったホームです。
キエフ地下鉄は地下深くにホームがあるのですが残念なことにホームが短いです。ホームは5両編成までしか対応しておらず通勤時間以外も混雑気味です。建設当時のソ連が需要予測を見誤ったのか、予算不足でホームが短くなってしまったのでしょうか?
鉄道でキエフからリヴィウ
、キエフ旅客駅にやってきました。これから749の列車でリヴィウへ移動します。
列車番号 | 749 |
乗車駅 | キエフ(Kyiv) |
到着駅 | リヴィウ(Lviv) |
発車時刻 | 14:07 |
到着時刻 | 19:50 |
運賃 | 201.11フリヴニャ |
ヨーロッパの駅ですので駅舎が大きいです。
ウクライナでも蒸気機関車が現役
、2番線から列車に乗車しようとするのですが、1番線からディーゼル機関車にしては異常に多い煙が流れてきます。もしかしてと様子を見に行くと1番線に蒸気機関車が停車しています。
ウクライナでも観光用に蒸気機関車が走っているようです。地元の人たちも撮影しており日本同様に蒸気機関車は人気があるようです。
この蒸気機関車のプレートにはЭР787-46とありますので、ここから後で型式を調べられます。
動輪は5つも付いております。
後で調べてみると蒸気機関車はソ連製のПаровоз Эという型のようです。ЭР787-46はキエフで観光列車として運行されているようです。
キエフからウクライナの古都リヴィウまで鉄道に乗車
、蒸気機関車の撮影を終えてリヴィウ行きの列車に乗車します。
列車は160km/h対応の客車です。行き先を表すサボは無く代わりに乗務員室の部分にサボ代わりに標識が掲げられています。
ウクライナ鉄道はタイ国鉄のように改札口がありませんのでホームに自由には入れます。タイ国鉄と違うのは長距離列車の場合は各車両に乗務員さんがおり乗車時にきっぷの確認があります。
乗車してみると寝台車を座席車両として運用していました。
この車両は座席表示が4種類あります。свが1等寝台の2人コンパートメント、купейніが2等寝台の4人コンパートメント、сидячі 1кл.が1等席で4人BOX(ドアが閉められるのでコンパートメントに近い)、сидячі 2кл.が2等席で6人BOX(ドアが閉められるのでコンパートメントに近い)となっています。同じ車両でも夜行なら寝台、昼行なら座席で運用するようです。
こちらが寝台(座席)になります。寝台は上段が折りたたみ可能で座席車、1等寝台として運用可能、上段ベッドを使用すれば2等寝台として運用できます。今回は2等席として使用なのですが上段ベッドは網棚代わりに使われています。下段ベッドは持ち上げると荷物収納部分があります。
こちらは寝台(座席)から通路側を見た画像です。
コンセント、照明ももちろん付いています。窓ガラスは三重になっており冬季の極寒にも耐えられるようになっています。ウクライナの客車はかなり幅広く運用できるようです。肝心の客車がウクライナ製かロシア製かは不明です。
長距離列車の各車両には乗務員室があり乗務員1名が詰めているのもウクライナ鉄道の特徴です。
、定刻通りにキエフ旅客駅を発車します。キエフからリヴィウまで約6時間の移動になり、列車の等級がInterCity(日本の特急列車に近い)ですので停車駅は少なくキエフの次がリヴィウになります。リヴィウの次が終点のIvano-Frankivskになり途中駅がリヴィウだけという驚きのダイヤです。列車はスピードを130km/hまで上げますが線路幅の割に列車の揺れはかなりあります。160km/h対応車両でこの揺れは問題です。
車内探検でトイレへ行ってみます。トイレは洋式でタンクに溜める方式です。垂れ流しではないので線路がきれいなわけです。
今回はトイレットペーパーも備え付けられていました。乗務員室の近くには給湯器もあります。
キエフを出ると農村と森林の光景が広がっています。線路には特に柵はなく誰でも入れる状態ですが線路を歩いているような人は見あたりません。それに線路上にゴミが落ちておりません。海外ですと線路上を人が歩いていたり列車から投げ捨てられたゴミが散乱していたりといった光景をよく目にしたのですが驚いたことにウクライナはしっかりしています。
リヴィウまでの車窓はほとんどが森です。ヨーロッパの穀倉地帯とも呼ばれるウクライナの小麦畑は見あたりません。開けた所は駅のある町くらいです。車窓から見える木々は冬の風対策としての鉄道林でしょうか?
、ようやくウクライナの広大な畑が車窓から見られるようになります。広い畑が見えるようになりますが民家はほとんど見られま せん。人口密度は北海道並みに低いようです。
世界遺産の街リヴィウに到着
、定刻通りにリヴィウ駅に到着します。ヨーロッパらしいホームで全体が屋根で覆われております。
こちらがリヴィウ駅の駅舎になります。世界遺産の街にふさわしい重厚な外観の立派な駅舎です。
駅前から世界遺産の旧市街までは路面電車が走っていますが、これは明日乗車するので無視して予約しておいたホステルへ向かいます。駅前から5分歩いただけでヨーロッパの町並みが広がっております。
そして、ウクライナ東方カトリック教会のChurch of Sts. Olha and Elizabethが見えてきます。このネオ・ゴシック建築の大きな教会の隣にホステルがあります。
、Booking.comで予約しておいたHostel Driveに到着します。キエフからリヴィウまで無事に移動できました。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 48フリヴニャ | – |
宿泊費 | 272.25フリヴニャ | – |
交通費 | 5フリヴニャ | 地下鉄 |
合計 | 325.25フリヴニャ | – |