カンボジアのシェムリアップで4G LTE対応プリペイドSIMカードを購入しましたので、海外旅行などでカンボジアへ行く人の中には現地SIMで携帯電話を使いたい人もいると思いますので購入方法や契約プランの内容など紹介したいと思います。なおカンボジアで現地SIMを購入したのは2017年5月19日になりますので最新の料金プランなどは各自で確認してください。
カンボジアの携帯電話会社について
まずはカンボジアの携帯電話会社を確認しておきます。どんなキャリアがあるのかわからないと比較もできないですから…。カンボジアには携帯電話会社が6社ありますが上位3社で加入者数の98%以上を占めており、事実上選ぶキャリアは3社に絞られます。
以下の記事を参考にしています。
Metfone
MetfoneはViettel (Cambodia) が展開するブランドになり通信方式は4GのLTE、3GのW-CDMA、2GのGSMになります。Viettel (Cambodia) はベトナムの通信会社Viettelのグループ企業になります。Viettelはベトナム軍の傘下企業になりラオス、東ティモール、タンザニアなどでも携帯電話キャリアとして通信サービスを展開しています。
カンボジア国内では携帯電話事業だけでなく、ADSLや光ファイバーのFTTHまで展開しており通信事業全般を展開しています。カンボジアの携帯電話事業者で上位3社の1社になりカンボジアでは2008年にサービス開始しており、2015年には業界3位だったBeelineを買収しておりシェアは5割になりカンボジアでのシェア争いは首位を走ります。カンボジアのドコモとも呼べる携帯電話会社です。
Smart
SmartはSmart Axiataが展開するブランドになり通信方式は4GのLTE、3GのW-CDMA、2GのGSMになります。Smart AxiataはマレーシアのAxiataグループのグループ企業になります。元々はHello AxiataのHelloブランドとLatelzのSmart Mobileブランドの2つのキャリアでしたが2013年のキャリア統合でSmart Axiataへと変わります。カンボジアの携帯電話事業者で上位3社の1社。
Cellcard
CellcardはCamGSMが展開するブランドになり通信方式は4GのLTE、3GのW-CDMA、2GのGSMになります。CamGSMはルクセンブルクのMillicom International Cellularとカンボジアの財閥系企業The Royal Groupにより1996年にサービスが開始され2009年11月にThe Royal Groupの完全子会社となり、カンボジア資本の携帯電話事業者となっています。カンボジアの携帯電話事業者で上位3社の1社。
qb
gbはCambodia Advance Communicationsが展開するブランドです。社名がCambodia Advance Communicationsで長いので略してCADCOMMSと呼ばれています。2006年サービス開始で4Gは導入されておらず3GのW-CDMAと2GのGSM方式を展開。
W-CDMA方式のみでサービス展開していると聞いていたのですがWEBサイトでカバーエリアを確認すると2GのGSM方式でも展開されています。
SEATEL
SEATELはシンガポール資本のSouth East Asia Telecom Groupが展開するブランドになり通信方式は4GのLTE方式を採用。2008年サービス開始。3Gや2Gなど詳細は不明。
CooTel
運営会社のXINWEI(CAMBODIA) TELECOMは中国のBeijing Xinwei Technology Group(北京信威科技集团)の傘下企業になり2013年にCooTelのブランド名で移動体通信サービスの開始しています。このCooTelの特徴は通信方式がLTE方式ではなく世界的にも珍しいMcWiLL方式を採用していることです。
そして、もう一つの特徴は端末にSIMカードを使わないSIM-lessを採用しており、電話番号が端末に書き込まれているのです。簡単に言えばSIMカードを採用していなかった日本の第2世代のPDC方式の携帯電話みたいな感じですね。例えが古かったのですがMcWiLL方式自体はWiMAXに似たような通信技術のようで古くはないです。
使用端末はMcWiLL方式対応でなければいけませんので、日本のユーザーでCooTelを選択する可能性はほとんどないと思われます。
このように簡単に紹介しましたが、上位3社のMetfone、Smart、Cellcardのどれかを選んでおけば良いでしょう。
あまり関係ありませんがドコモのWEBサイトでカンボジアでの国際ローミングを確認すると日本から持っていったドコモで購入したiPhone 5sはMetfone、Smart、Cellcardの3社で3GのW-CDMAが利用できます。LTEはMetfone、Smartが対応で、なぜかCellcardは非対応になっています。ドコモの情報が古いのでしょうか?
あと念のためですがiPhone 5sはドコモショップでSIMロック解除してもらわないとカンボジアのSIMカードが使えるか怪しいですね。auやSoftBankも同様でSIMロック解除は必要でしょうね。海外ではSIMフリーの端末は必須です。
SmartのSIMカードを購入
今回はSmartのSIMカードを購入することにします。なぜ、カンボジアでのシェアトップを誇るMetfoneではなくSmartにしたのかという理由ですが、日本で言うドコモショップやソフトバンクショップに相当するSmart Shopの場所をたまたま知っていたからです。
アンコールワットのあるシェムリアップに滞在しているのですが、シェムリアップ中心部にあるラッキーモールというショッピングモールの斜め向かいにSmart Shopがあります。そこで2017年5月19日にラッキーモールの斜め向かいにあるSmart Shopにやってきました。Smartの店舗は緑を基調とした色になっています。
店内に入ると発券機がありますので、「BUY SIM CARD」をタッチして発券します。お客さんが誰も居なかったので待ち時間無しで順番が来ます。店員のお兄さんにSIMカード購入を伝えるとデータ通信と通話が必要か聞いてきましたので、もちろんデータ通信と通話の両方が必要なのを伝えます。SIMカード購入にはパスポートが必要なのでこの段階でパスポートを渡しておきます。
プランは1ヶ月、データ通信2GBで6ドルというのを勧められます。他にも安いプランがあると思うのですが、私は英語ができないので他のプランを聞くことができません。ですので、そのプランでお願いしておきます。
店員のお兄さんがパスポートのコピーを取って、スマートフォンにSIMカードをセットして設定してくれます。設定が終わり6ドル支払い開通手続き完了、カンボジアの電話番号を取得しました。早速、手元にあるドコモの携帯に掛けてみると、ちゃんと着信しています。デフォルトで国際通話にも対応しています。
無事にSmartのSIMカードを購入してカンボジアでの携帯の電話番号を取得しましたが、英語のできない私は店員さんのいわれるがままのプランに加入しており、契約プランの内容もよくわかっておりません。そこでSMS(ショートメッセージ)を確認して一体どのようなプランに加入したのか確認します。
開通時のSMSに「Your tariff is Super60.」とありますので通話プランはSuper60になります。さらに残高に0.5ドルがあるそうです。
こちらのSMSでは「You have topped up 5.00USD.」とありますので5ドルをチャージしています。チャージの後でADD-ON SERVICESのMonthly SurfLikeCrazy 2GBを追加購入しています。これが2GBのデータ容量の追加で30日有効で3ドルになります。
契約したプランは以下の通りになります。
基本プラン:Super60
データ容量追加購入:Monthly SurfLikeCrazy 2GB
今回のSIMカード購入費用6ドルの内訳は、SIMカード 1ドル、データ容量2GB 3ドル、残高2ドルとなります。
残高など確認方法
残高確認:*888#
電話番号確認:*887#
データ残量確認:*087*888#
これで一通り契約内容もわかりました。他の2社Metfone、Cellcardも似たような感じでしょうから比較してみて購入してみましょう。
プラン変更で番号維持の最安プランにする
私が契約したプランSuper60は基本料金が毎月1ドルが掛かり、通話しなくても1年で12ドルの費用が掛かります。日本の携帯よりは維持費は安いのですが銀行口座の維持やモバイルバンキングのPINコードのSMSを受信するだけで年間12ドルは少々高いです。
そこで他に安いプランがあるのか探してみたらSmart XtraLong!というプランを見つけます。このSmart XtraLong!は長期間の番号維持に特化したプランで2ドルで180日間も電話番号が維持されます。
プラン:Smart XtraLong!
費用:2ドル(契約時の最低残高4ドル以上)
期間:180日
契約変更は携帯電話から*203#に掛けるだけで変更できます。実際にSuper60からSmart XtraLong!に契約変更してみます。
*203#に掛けてみると、「残高4ドル以上でないと変更できません」とSMSが来ました。
この時は残高が2ドルでしたのでABA BANKのモバイルアプリで4ドルをチャージ(Top Up)します。「残高6ドルになりました」というSMSが来ました。
改めて*203#に掛けてみると、Smart XtraLong!へのプラン変更完了と番号維持期間が記載されたSMSが来ました。
*888#に掛けて残高確認すると残高4ドル、期限は2019年4月19日になっており、契約変更したのが2018年10月28日なのでちゃんと長期間の番号維持になっています。カンボジアで銀行口座を持っていて携帯の電話番号を安く維持したい人にはSmart XtraLong!はオススメです。
SmartのSIMカードで国際ローミングを試してみる
カンボジアのSIMカードを購入したわけですが、カンボジア国内で通話するのは問題ないですが、海外だとどうなのかという疑問が出てきます。そこで海外で使用する国際ローミングを実際に試してみました。
ベトナム
まずはカンボジアのお隣にあるベトナムですが着信、発信とも使用できました。お隣の国ですからベトナムでもカンボジアのSIMカードが使えないと困りますよね。もちろんベトナム・ホーチミンでは4G LTEでの接続です。
香港
アジアのハブ空港や金融センターの役割を持つ香港ですが、着信は大丈夫なのですが発信ができませんでした。香港はボーダフォン、CMCCなどの4G LTE回線で試してみたのですが、なぜか発信はできず着信だけはできており、これはSmartと香港の携帯電話会社との間で着信だけという契約なのでしょうか?