カンボジアの世界遺産といえばアンコールワットですね。このアンコールワットを含むアンコール遺跡群が世界遺産に登録されており、その中にベンメリア遺跡があります。このベンメリア遺跡はアンコールワットのように綺麗に修復されておらず、ほとんどが発見当時の崩壊したままの状態で保存されています。ほとんどがそのままの状態ですので歴史の流れを感じることが出来ます。今回のアジアバックパッカートラベルではトゥクトゥクでベンメリア遺跡へ行ってきましたので紹介したいと思います。
トゥクトゥクでベンメリア遺跡へ
前日にゲストハウスの同じドミトリーに宿泊しているYさんがトゥクトゥクでアンコールワット大回りコースをしており、明日はベンメリア遺跡へ行くという事を聞いて私も一緒に行くことにしました。トゥクトゥクはベンメリア遺跡の1日チャーターで35ドルなので割り勘になるのですがドライバーさんに1人20ドルでお願いされ20ドルでOKします。
ベンメリア遺跡へのトゥクトゥクのチャーターは私の知る限りでは安い所は30ドルからゲストハウスで申し込めます。今回は帰りにロリュオス遺跡群にも寄りますので20ドルでも許容範囲内です。出発は朝8時ということで寝坊しないように早めに寝ます。
、ゲストハウスにベンメリア遺跡へ行くトゥクトゥクが迎えに来ました。
トゥクトゥクは外部タンク10Lを増設して長距離対応です。外部タンクがポリタンクなのがカンボジア仕様です。日本でポリタンクだと警察に捕まってしまいます。
トゥクトゥクでシェムリアップを出発してベンメリア遺跡へ向かいます。ミニバンなら90km/hぐらいで飛ばしていけば1時間ほどでベンメリア遺跡に到着なのですが、トゥクトゥクは40km/hが精一杯ですので倍以上の時間が掛かります。
まずは国道6号線を走りロリュオス遺跡群の前を通過してベンメリア遺跡へ向かいます。ロリュオス遺跡群は帰りに立ち寄ります。ロリュオス遺跡群を越えると国道脇にカンボジア名物のお菓子クロランを売る露天が点々と続いています。
竹筒にもち米、豆、ココナッツミルクを入れて炭火で蒸し焼きしたお菓子になります。このクロランの露天が国道脇に延々と数kmに渡って続きます。
、ベンメリア遺跡・コーケー遺跡の入場券売場に到着します。ベンメリア遺跡の入場料は5ドルになります。シェムリアップから2時間以上の道のりです。
入場券売場から5分弱でベンメリア遺跡に到着です。トゥクトゥクのドライバーさんは駐車場で仲間のドライバーさんたちと世間話をして待っていてくれます。遺跡は2時間から3時間もあれば一通り見て回ることが出来ます。
ベンメリア遺跡とは?
カンボジアの世界遺産アンコール遺跡群を構成する遺跡のひとつでアンコールワットのあるシェムリアップ市の東40kmに位置しています。歴史はアンコールワット(12世紀初頭着工)より少し古い11世紀末から12世紀初頭にクメール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって造営されたと考えられており、アンコールワットと同じヒンズー教寺院になりますが仏教をモチーフにした彫刻もあります。1992年にユネスコの世界遺産に登録されています。
遺跡は廃墟となっており神殿は崩れて木の根に覆われている所もあります。
崩落した遺跡はほとんどが発見当時のままで修復されていませんので足元は危険な場所が多いです。観光用に通路を設置して崩れた遺跡を見学できるようになっています。
このように通路の下は崩落した石が転がっています。アンコールワットですと石を組み直して修復された部分が多いのですがベンメリア遺跡はそのままの状態です。
遺跡内部では通路が無くそのまま歩いて行く部分もあります。ガイドさんがいると通路のない所から遺跡内部へ入り見学できますが1人の場合は足元が危ないので整備された部分だけの見学にした方が良いでしょう。
元々は石畳になっていた部分も900年以上の長い年月で樹木が生えている部分もあります。歴史を感じさせる光景です。
ベンメリアは「天空の城ラピュタ」のモデルではない
ベンメリア遺跡は宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」のモデルとよく言われていますが、それは事実ではありません。スタジオジブリの公式サイトでベンメリアについて触れていませんし、「天空の城ラピュタ」は1986年8月2日公開でベンメリアが世界に知られるようになったのは1990年代に入ってからです。1980年代に外国人がベンメリアを訪れること自体が危険すぎて不可能です。当時カンボジアはポル・ポト派、KPNLF、FUNCINPECの反ベトナム派とベトナム軍、人民革命党による泥沼の内戦状態にあり、北西部のカンボジア・タイ国境地帯はポル・ポト派の支配地域でベンメリアは地雷原になっています。
戦場カメラマンなどのジャーナリストですらポル・ポト派支配地域へ入るのは命の危険が伴うのにアニメのロケハンで地雷原へ入るのは冷静に考えればありえません。さらに年月を遡れば1973年に一ノ瀬泰造がアンコールワットへ向かいクメール・ルージュによって処刑されています。長年内戦状態にあるカンボジアにアニメのロケハンで入国しますか?当時海外で知られていないベンメリアをどうやって知ったのでしょうか?
このベンメリアが「天空の城ラピュタ」のモデルと言われるのは廃墟の雰囲気が似ているだけということです。それを旅行会社に関わる人が日本人観光客へのセールストークに利用したというのが合理的な考え方です。
、入口の駐車場に戻ってきました。帰りのガソリンを給油して準備しますが日本でポリタンクにガソリンを入れるのは禁止ですがカンボジアではOKなのです。バイク自体125cc以下は免許無しですのでカンボジアでは小学生がバイクを乗り回しているのも見かけます。
給油したら帰り道の途中にあるロリュオス遺跡群へ向かいます。
、ロリュオス遺跡群のロレイ(LOLEI)に到着です。その後はプリア・コーとバコンにも寄ります。私はアンコール遺跡群のチケットを持っていませんので遺跡の外にあるチケットチェックポイントで待っています。ドライバーさんがYさんを遺跡へ連れて行っている間はその辺を歩いて暇つぶしです。
、トゥクトゥクが帰ってきましたのでシェムリアップへ戻ります。
、シェムリアップのゲストハウスに到着、ベンメリア観光終了です。
シェムリアップからベンメリア遺跡までのGPSデータ
こちらはシェムリアップからベンメリア遺跡まで移動した際に収集したGPSログです。Google マップに取り込んで表示させていますので、実際にどこから出発してどこに到着したかが分かります。下記リンクからはGPXファイルとKMLファイルがダウンロードできますので、Google EarthやGPS機器に取り込んで使うということもできます。