カンボジア・シェムリアップのパソコンショップと自力でノートPC修理

ノートPC

カンボジア・シェムリアップ滞在中にノートPCの調子が悪くなりました。正確には半年ぐらい前から調子が悪いのです。使用している機種は「HP ENVY 17-j100」2014年に購入したHPのノートPCです。購入当時はそこそこのCPUであったCore i7-4700MQ 2.40GHz、GPUはGeForce GT 740Mが搭載されていましたが1年の保証期間が過ぎるとタイミング良くCPUファンが壊れたので、CPUファンの価格をHPのサポートにチャットで問い合わせたらCPUファンが12500円で驚きの高価格です。この時は海外におり現地で中古のCPUファンを300円ぐらいで購入して修理しました。

HP ENVY 17-j100排熱処理が悪い

今回のトラブルもCPUファン絡みでノートPCが熱いのです。具体的には下記の2点。

  • ファンが高回転で唸るようになってきた。
  • ファンからの排熱が熱風。

どうやら排熱がちゃんとできていないようです。

CPU温度

CPU温度

そこで画像編集などで重い負荷を掛けてどれだけの熱がこもっているのかCPUの動作温度を確認してみると、最高温度が100度、最低温度でも53度なのでかなりの高温です。CPUファンは正常に動作しており、ファンが高回転になったり低回転になったりしているので温度センサーは無事です。しかし、このまま使用して熱で故障したら困ります。特に駆動系のCPUファンはある意味消耗品でいつ壊れるか分かりません。これは何とかしないといけないようです。

今回の排熱処理の問題はCPUからヒートシンクへ熱がちゃんと伝わっていないのが原因だと考えられます。解決方法は熱伝導の改善、CPUにシリコングリスを塗り直してヒートシンクをしっかり密着させて効率よくCPUからヒートシンクに熱が伝わるようにします。

シェムリアップのパソコンショップ

アンコールワット

アンコールワット

修理方法の目処がつきましたので部材のシリコングリスを購入します。日本なら秋葉原、大須、日本橋のパソコンショップで100円で売られているシリコングリスでも買うか、アマゾンや楽天市場で購入することもできます。ですが、私は世界遺産アンコールワットのあるカンボジア・シェムリアップにおり日本とは状況が違います。シェムリアップでパソコンショップを探す所からスタートです。

FUTURE WORLD

FUTURE WORLD

調べてみるとシェムリアップには電気街や電脳街のようなのはなく、街の中心部にパソコンショップが点在しており、パソコンショップが数軒集まっている通りがある程度です。まずはおそらくシェムリアップで一番有名なパソコンショップのFUTURE WORLDから行ってみます。

FUTURE WORLDはSivutha Streetにあり、スーパーマーケットのAngkor Marketの隣りにあります。このFUTURE WORLDがなぜおそらくシェムリアップで一番有名なパソコンショップかというと「Apple Authorized Reseller」に認定されているからです。簡単に言えばアップルの代理店でiPad、Macなど各種Apple製品を購入するにはここに来るしかないということです。シェムリアップにはもう1店アップルの代理店があるらしいのですが今回はパスです。

外観からしてアップルのショールームみたいになっており、CPUやマザーボードなどのパーツは見当たりません。アップルの代理店だからWindowsマシンのパーツを扱っているわけ無いですね。シリコングリスぐらいは修理で使うでしょうから在庫していると思いますが、ここで購入してしまうと記事が終わってしまいますので次へ行きます。

ABA BANK

ABA BANK

続いてやってきたのがABA BANKのあるPreah Sangreach Tep Vong Stです。近くにはシェムリアップ唯一のケンタッキーフライドチキンがあります。この通りにはABA BANKから東にある小児病院のAngkor Hospital for Childrenまでの200mほどの距離に5軒ぐらいパソコンショップが点在しています。

パソコンショップ

パソコンショップ

外観を見る限りパソコンショップといってもメーカー製パソコンをメインに扱っている様子です。

パーツショップ

パーツショップ

中には周辺機器を扱ったお店も見られますが防犯カメラも一緒に扱っていたりパソコンショップ専業というわけではないようです。シェムリアップのパソコンショップはノートPCがショーケースに入って展示されているのはよく見かけるのですが、CPU、マザーボードなどのパーツはなぜか見かけません。単価が高いので店の奥に隠してあるのでしょうか?それとも自作PCの需要がないのでしょうか?よく見かけるのは無線LANルータ、マウスといった周辺機器です。

PC Magic

PC Magic

今回はPC Magicという店でシリコングリスを購入です。カンボジアなので日本みたいに100円とかの激安品はないだろうと予想して5ドルを覚悟してお店のお姉さんに「Do you have Thermal grease?」というような具合で全く話せない英語で頑張って聞いてみますが通じません。そこで、今度はスマートフォンにこんな時のために用意しておいたシリコングリスの画像を見せると一発で通じました。英語で聞くよりお馴染みの注射器の画像の方が通じるようです。

シリコングリス

シリコングリス

在庫は3ドルと4ドルの2種類で値札が貼られておりちゃんと定価販売です。4ドルの高い方は日本でもよく見る小さい注射器タイプなのですが、安い3ドルはなぜか大きい注射器でシリコングリスの量が圧倒的に多い業務用サイズです。この量なら上手く使うと10台以上のパソコンが組み立てられます。業務用サイズは必要ないのですが3ドルで安いので購入します。容量で考えれば日本で買える100円のシリコングリスより安いのでしょうけど、まさか業務用サイズが一番安いとは思いませんでした。

ノートPC修理(分解・清掃)

ノートPC

ノートPC

シリコングリスを購入しましたのでノートPCを分解・清掃します。やはりCPUファンとヒートシンクの部分にホコリが溜まっていますのできれいに除去します。エアダスターがあれば一気にホコリを吹き飛ばせるので便利なのですが、カンボジアまで来てわざわざエアダスターを買うのはもったいないのでティッシュペーパーと細いマイナスドライバーを使ってホコリを拭き取っていきます。日本だったらエアダスターを買って一気にホコリを吹き飛ばします。

ノートPC

ノートPC

ホコリを除去したらシリコングリスを塗ります。このシリコングリスを塗る際はヒートシンクを付けた時にCPUとヒートシンクの間に気泡が入らないようにする必要があります。気泡が入ると熱伝導が落ちて冷却効果が十分に発揮できませんので、シリコングリスは上手く塗りノートPCを組み立てていきます。

CPU温度

CPU温度

再びノートPCを起動させて温度を測定します。今度はCPUに負荷を掛けても最高温度は81度、最低温度は36度になっています。

CPU温度

CPU温度

CPUの最高温度は20度くらい下がっています。これで冷却効果が改善されたことが確認できましたので今回の修理は成功です。

ノートPC