カンボジア鉄道・プノンペンからシアヌークビルのきっぷ購入と乗り方

機関車

カンボジアの鉄道は首都プノンペンを起点としたプノンペン~シアヌークビル、プノンペン~ポイペトの2路線が伸びています。カンボジア国鉄(THE ROYAL RAILWAY OF CAMBODIA)によって運営されていますが、2018年1月現在タイ国境まで伸びる北線のプノンペン~ポイペトは運休中、南線のプノンペン~シアヌークビルのみの運行になっています。

今回は首都プノンペン(Phnom Penh)からカンボジア国鉄で南部リゾート地のシアヌークビル(Sihanoukville)までの鉄道旅行になります。駅でのきっぷ購入から乗車まで紹介していきます。

カンボジア国鉄はJETROの資料によれば2009年に廃止され、民間会社のToll Royal Railways (オーストラリアのトール社が 55%、カンボジアのロイヤルグループが 45%)の運営になっていますが、カンボジア国鉄の名称で呼ばれています。カンボジア国鉄のトップページにはロイヤルグループのオーナーNeak Okhna Kith Mengのメッセージが掲載されています。

プノンペン駅でのきっぷ購入

プノンペン駅

プノンペン駅

プノンペン駅にやってきました。今日は明後日のシアヌークビル行きのきっぷを購入します。プノンペン駅からは金土日にシアヌークビル行きの列車が4本運行されています。シアヌークビル駅からは土日月にプノンペン行きの列車が4本運行されています。

プノンペン駅時刻表

プノンペン駅時刻表

駅の入口には時刻表の看板が出ています。時刻表を調べてみると下記のようになります。日曜日のプノンペン16:00発の列車だけシアヌークビルまでの時刻が不明でしたが、金曜日のプノンペン発の列車の1時間遅れぐらいのダイヤと思われます。日曜日だけ午前と午後に列車が運行されているのでプノンペンからシアヌークビルまで日帰りで乗り鉄というのも可能です。

プノンペン発シアヌークビル行き
土日
プノンペン
Phnom Penh
タケオ
Takeo
カンポット
Kampot
シアヌークビル
Sihanoukville
シアヌークビル発プノンペン行き
土日月
シアヌークビル
Sihanoukville
カンポット
Kampot
タケオ
Takeo
プノンペン
Phnom Penh
パンフレット

パンフレット

駅でもらったパンフレットを見るとプノンペンからシアヌークビルまでの運賃は7ドルがBOXシート、8ドルがロングシートになっています。カンボジア国鉄のWEBサイトに運賃表があります。

パンフレット

パンフレット

パンフレットは時刻表にもなっており1月と2月の時刻表が掲載されています。

きっぷ売り場

きっぷ売り場

こちらがプノンペン駅のきっぷ売り場でシハモニ国王の大きな肖像画があります。きっぷ売り場は列車が運行していない曜日でも開いておりきっぷの購入が可能です。プノンペン駅の営業時間は月~金08:00~16:30、土日06:00~16:00になります。

きっぷ

きっぷ

平日の午前中でしたのできっぷ売り場は誰もおらず待ち時間無しです。今回は明後日土曜日のシアヌークビルまで8ドルのきっぷを購入。きっぷは座席指定になっています。発車時間は07:00になります。当日は遅れないように早起きです。

カンボジアの鉄道でプノンペン→シアヌークビルへ移動

プノンペン駅

プノンペン駅

、プノンペン駅にやってきました。07:00発、シアヌークビル行きの列車に乗車します。駅の待合室にはすでに乗客が集まっています。欧米人旅行客の姿も見られます。今回、プノンペンからシアヌークビルまでのルートは以下のようになります。

プノンペン(Phnom Penh)→タケオ(Takeo)→カンポット(Kampot)→シアヌークビル(Sihanouk Ville)

最後尾に車を載せています

最後尾に車を載せています

駅には日本のように改札口はなく、そのままホームへ移動できます。ホームにはシアヌークビル行きの列車が停車しています。車両輸送もやっており、このように自動車も載せられています。他にも貨車もあります。

客車

客車

こちらは客車で型式は古そうなのですが塗装が新しくされています。元々はフランス・アルストーム製の気動車だったようです。

家庭用エアコンの室外機

家庭用エアコンの室外機

家庭用エアコンの室外機が搭載されているのが特徴です。

連結作業中

連結作業中

機関車の連結作業です。

フランス・アルストーム製BB1055

フランス・アルストーム製BB1055

今回、シアヌークビルまで列車を牽引するのはフランス・アルストーム製BB1055です。約50年前に製造された機関車になります。

プノンペン駅プラットホーム

プノンペン駅プラットホーム

、乗車開始です。乗車口できっぷの確認があります。きっぷは8ドルのロングシート、7ドルのボックスシートの2種類があります。今回はシアヌークビルまで8ドルのきっぷを購入しましたが、なぜかロングシートが大混雑しています。きっぷには座席番号がある指定席券なのですが実際は早い者勝ちの自由席でした。

ロングシート

ロングシート

ロングシートが混雑しているので隣のボックスシートの車両へ移動すると意外にも空いています。8ドルのきっぷですが、このまま空いているボックスシートにします。席を確保したら車内探検です。

席は進行方向右側の座席がおすすめです。左側は直射日光が当たります。右側はシアヌークビルに入ると海が見えます。
ボックスシート

ボックスシート

この客車は元々フランス・アルストーム製の気動車だったのですが、50年近くの年月を経ており気動車から客車へ改装されています。

パナソニックのエアコン

パナソニックのエアコン

客車自体は古いのですが車内設備は客車1両にダイキンやパナソニックの家庭用エアコン4台、ソニーの液晶テレビ2台が装備されています。照明はLED、WiーFiもあります。元々は扇風機すら無かったのかもしれませんがきれいに改装されています。

トイレ

トイレ

トイレは水洗なのですが家庭用の普通の便器です。50年近く前の車両を家庭用製品でここまで改装しているカンボジア国鉄はかなりすごいです。ただ一つ残念な点は網棚がない点です。ですので荷物置き場の確保が難しいです。

車内

車内

、13分遅れで発車です。シアヌークビル行きの列車に乗車、カンボジアでの鉄道の旅が始まります。乗務員のお姉さん1人、警官1人、車内販売員2人が乗車しているようです。車内放送はありませんので途中駅下車の場合は注意が必要です。途中駅は2駅だけですので眠らない限りは車内放送がなくても大丈夫そうです。

30分も走るとプノンペンの大都市の風景から田舎の農村風景へ変わり、列車の速度は60km/hまで出ています。私が乗車した車両は空いており快適です。

タケオ(Takeo)駅に到着

タケオ駅

タケオ駅

、10分遅れでタケオ(Takeo)に到着です。

露天

露天

駅の一角に地元の人たちが売店を出しており、焼いた魚や鶏などが並んでいます。朝食を購入する人たちで賑わっています。

タケオ駅停車中

タケオ駅停車中

、発車ベルの代わりに笛が鳴って買い物をしていた乗客が列車に戻ってきます。タケオ駅を発車して次のカンポットへ向かいます。

カンポット駅

カンポット駅

、カンポット(Kampot)駅に到着します。カンポットはカンボジア南部カンポット州の州都で胡椒とドリアンの生産で有名です。カンポットでは乗り降りする欧米人旅行客がおります。駅前には町から欧米人旅行客を乗せてきたトゥクトゥクが数台待機しており、カンポットで下車する欧米人旅行客に声を掛けています。

機関車

機関車

機関車の撮影に先頭へ向かいます。前方の貨車では欧米人旅行客のバイクや自転車が降ろされており、その場で引き渡しが行われています。こちらが機関車です。機関車は塗装がはげ落ちておりかなり傷んでおります。客車のように塗装し直したりとかはしていません。客車はきれいに塗装しているのに機関車がボロボロなのは少々もったいないですね。

シアヌークビルの海

シアヌークビルの海

、カンポットを発車します。次は終点のシアヌークビルです。海が見えてきました。シアヌークビルまであと少しです。シアヌークビル駅が近づくと線路のすぐ脇にまで住宅が建っています。ベトナムやタイの鉄道でもよく見るアジアの光景です。

シアヌークビル駅到着

シアヌークビル駅到着

到着の所を25分遅れでシアヌークビル(Sihanouk Ville)駅に到着です。シアヌークビルは欧米人旅行客たちにリゾートビーチで知られている町です。プノンペンからシアヌークビルまで約7時間の鉄道旅行でした。

シアヌークビル駅

シアヌークビル駅

駅前には列車の到着に合わせてトゥクトゥクのドライバーさんたちが待機しています。欧米人旅行客と料金交渉をまとめて次々と出発していきます。トゥクトゥクが待機していますのでシアヌークビルの中心部への交通手段はちゃんとありますね。

今回はプノンペンからシアヌークビルまで鉄道で移動しましたが、料金で言うと鉄道よりバスの方が安いです。鉄道は7ドル、8ドルですが、バスだとキャピトルツアーを使うと5.5ドルでプノンペンからシアヌークビルまで移動できます。しかも、バスはシアヌークビルの中心部に到着します。鉄道だと駅からシアヌークビル中心部までトゥクトゥクでの移動になりますので高く付きます。

こだわりがなければバス、旅情を感じたい人は鉄道と使い分けるのが良さそうです。カンボジアはバスでの移動が基本になりますので、たまには違った交通手段という人には鉄道がおすすめです。

カンボジア・プノンペン→シアヌークビルのGPSデータ

こちらはプノンペンからシアヌークビルまで移動した際に収集したGPSログです。Google マップに取り込んで表示させていますので、実際にどこから出発してどこに到着したかが分かります。下記リンクからはGPXファイルとKMLファイルがダウンロードできますので、Google EarthやGPS機器に取り込んで使うということもできます。

機関車