アルメニアから戻りジョージア(グルジア)旅行の再開して首都トビリシから西部のクタイシまで鉄道で移動します。クタイシはジョージア第2の都市でグルジア王国などの首都が置かれて中世ジョージアの中心地にもなっております。クタイシには世界遺産ゲラティ修道院と世界遺産登録を取り消されたバグラティ大聖堂があります。
クタイシ行きのきっぷ購入
、トビリシ駅にやってきました。明日のクタイシ行きのきっぷを購入します。日曜日ですがきっぷ売り場は空いており待ち時間無しで購入できました。
トビリシ発、クタイシ1(Kutaisi I)着になります。一般的にはトビリシからクタイシまでは時間の掛からないマルシュルートカを利用するのですが、私は天の邪鬼ですのであえて鉄道でクタイシへ向かいます。クタイシにはクタイシ1(Kutaisi I)駅とクタイシ2(Kutaisi II)駅がありトビリシからの列車はクタイシ1(Kutaisi I)駅に到着します。マルシュルートカだとクタイシ2(Kutaisi II)駅前のバスターミナルに到着します。
、トビリシ市内を流れるクラ川沿いのRike Park(რიყის პარკი)にやってきました。ここはロープウェイがありMother of Georgiaの像がある山の上まで上ることができます。周辺にはシオニ大聖堂やナリカラ砦などがあります。
ロープウェイの駅はかなり人が並んでいます。これなら他を見て回った方が良さそうです。
公園からクラ川を渡ってシオニ大聖堂へ向かいます。
シオニ大聖堂にやってきました。元々はジョージア正教の総本山だった教会で6世紀から7世紀に創建され千年以上の歴史を持ちます。日曜日なのでミサをやっており雰囲気的には内部に入れませんので外から見学するだけです。
カルフールで釣り銭を誤魔化さられる
昼頃、昼食にカルフールでパンとビールを購入します。パンが0.7ラリ、ビール500mlが1.5ラリになります。夕食もカルフールでソーセージ400g 2.4ラリ(108円)とヨーグルト400g 1.2ラリ(54円)を購入するのですが釣り銭を5ラリ誤魔化されてしまいました。カルフールなので完全に安心しきっていたのですがカルフールでも安心できません。その場で確認しないといけません。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 5.8ラリ | – |
交通費 | 8ラリ | 鉄道トビリシ→クタイシ |
交通費 | 0.5ラリ | 地下鉄 |
雑損 | 5ラリ | カルフール |
合計 | 19.3ラリ | – |
地下鉄でトビリシ駅へ移動
07:30、ホステルをチェックアウトしてLIBERTY SQUARE駅へ向かいます。LIBERTY SQUARE駅から地下鉄に乗車してSTATION SQUARE駅で下車します。運賃は0.5ラリ(22.5円)です。
トビリシ地下鉄は日本の地下鉄とは少し違います。まずはソ連時代に建設されていますので冷戦時のシェルターとしての役割も持っているので地下深くにホームがあります。そのためエスカレーターが長くホームのある終点の所には駅員の詰め所があり安全確保のためにおばさま(たまにお姉さま)が常駐してエスカレーターを監視しています。
地下鉄は5両編成のワンマン運転になります。列車到着時は完全に停止する前にドアが開いてしまうのがトビリシ地下鉄の特徴です。線路の状態が良くないためか走行時の揺れはひどく、駅到着時はブレーキが強めのための前に倒れ気味になります。運転が荒いので車の運転に例えると常に名古屋走りなどをしているといった感じでしょうか。
07:45、STATION SQUARE駅で下車、隣接するジョージア鉄道(GEORGIAN RAILWAY)のトビリシ駅へ移動します。きっぷ売り場の電光掲示板で列車の確認です。クタイシ行きの列車は2番ホームから09:00の発車です。
ジョージア鉄道最新型車両GSR形(KISS eurasia)
ホームへ降りてみるとジョージア国旗をあしらったかっこいいデザインの4両編成2の階立て車両が停車しています。08:00発のTrain No.802のBatumi行きの列車です。先頭車両の側面にはジョージア国旗の他にEU、スイス国旗まで描かれております。ジョージアはEU加盟を目指しているのでEUとのつながりの強さを伺わせます。
この編成はスイスのシュタッドラー・レール(Stadler Rail)製GRS形になります。元々はロシア向けに開発された極寒仕様のKISS eurasiaでジョージア鉄道に4編成が納入され2017年からトビリシ~バトゥミ間で運行開始されたジョージア鉄道の最新型車両です。最高営業速度は160km/hなのですが線路の状態が悪いので本来の性能の半分程度しか出せておりません。
新しい車両がある一方で隣のホームにはソ連時代の列車が停車しています。まだまだソ連時代の名残が残っております。
まだ時間がありますので最上階のフードコートでジョージア料理の朝食をいただきます。ウクライナのプザタハタと同じように食べたい料理を選んで最後に会計する方式です。蕎麦の実、豆の煮込み、ニンジンのサラダの3品で2.85ラリ(128円)になります。
ホームに戻ると08:30発のTrain No.872のPoti行き列車がちょうど発車するところです。各車両の乗務員が手で安全確認の合図を送り発車しますがドアが閉まりきる前に列車が動き始めています。
鉄道でトビリシからクタイシまで移動
、クタイシ行きの列車が入線してきました。機関車による客車牽引による列車です。
きっぷは5号車の座席なのですが列車の編成は4号車が無く4両編成になります。
こちらが行先標のサボになりますがジョージア文字なので全く分からず。
、乗車口で乗務員さんにきっぷを見せて乗車します。トビリシからクタイシまでの運賃は8ラリ(360円)になります。昼行の座席車なのですが車両はコンパートメントの寝台車両です。エアコンはありません。
個室は下段は3人掛け座席×2、上段は寝台×2という構成です。上段ベッドは収納可能になっております。昼間は6人座席、夜は4人寝台として利用できるようになっています。
上段ベッドは網棚代わりで荷物置き場になります。下段の座席下も荷物収納可能です。今まで乗車してきた旧ソ連圏の列車では一番グレードの高い客車です。
、トビリシ駅を発車します。乗客は地元の人たちが中心ですが、欧米人のバックパッカーの姿を多く見かけます。クタイシまではマルシュルートカで移動するのが一般的ですが鉄道で移動するバックパッカーも一定数はいるようです。車内放送はなく途中の停車駅は不明です。
、ムツヘタ駅に到着です。停車時間は1分。到着前、発車後に車内放送はなくムツヘタを過ぎると列車は結構揺れますが80km/h程度の速度が出ておりそこそこの速度が出せております。それでも線路幅1520mmというのを考えれば列車の揺れはひどいので線路や車両のメンテナンスが追いついていない印象があります。
、ゴリ(Gori)駅に到着です。停車時間1分。ゴリを発車すると100km/h程度のスピードが出て順調に走行しますが、ここで問題が発生します。トイレが閉鎖されて使えません。水が無いのか故障かは不明ですが欧米人や地元の乗客が騒いでいます。次の駅が停車時間10分なので駅のトイレを利用という流れのようです。長距離列車でトイレが使えないというのはかなり問題です。
、ハシュリ(Khashuri)駅に到着です。ここは大きい駅のようで停車時間10分という話なのでホームへ降りてみます。一部の乗客たちはトイレへ直行です。
、ハシュリ駅を発車します。エアコン無しなので車内がかなり暑くなってきました。一部の窓が開けられるのですが暑いの一言です。
クタイシに到着
、クタイシ1(Kutaisi I)駅に到着です。クタイシはクタイシ1駅とクタイシ2駅がありトビリシからの列車はクタイシ1駅に到着します。トビリシからのマルシュルートカはクタイシ2駅前のバスターミナルに到着します。通常はクタイシ駅と言ったらクタイシ1(Kutaisi I)駅を指します。
4両編成だった列車が1両編成でクタイシ1駅で到着していました。クタイシ1駅の1つ手前のリオニ駅で停車時間が長かったのでこの時に切り離しをしたようです。
駅の外に出ますが外観からは英語表示がないので鉄道駅とは分からないです。
駅前にはクタイシに首都をおいていたグルジア王国のダヴィド4世(KING David the Builder)像があります。
クタイシ1駅から20分ほど歩いてBooking.comで予約しておいたHostel Royalに到着です。路地にありますがちゃんと看板出ているので分かりやすいです。
部屋は1泊10ラリ(450円)のエアコン無し扇風機付き5人ドミトリーです。クタイシの中心部近くなのでロケーションは良好です。
元世界遺産のバグラティ大聖堂
、元世界遺産のバグラティ大聖堂(Bagrati Cathedral)に到着です。
バグラティ大聖堂は11世紀のグルジア王国バグラト3世(Bagrat III)の治世に建設されました。バグラティ大聖堂のバグダティはバグラト3世のバグラトに由来します。1692年にグルジア王国の分裂後に成立したイメレティ王国がオスマン帝国の侵攻を受けバグラティ大聖堂は廃墟と化します。
ソ連崩壊後の1994年にバグラティ大聖堂はゲラティ修道院と共にユネスコの世界文化遺産に登録されます。その後、2010年にバグラティ大聖堂の再建計画を理由に危機遺産に登録されますが、再建計画は実行され2017年に世界遺産から登録除外されています。
再建前と再建後の大聖堂の姿はかなり違っており、大聖堂のかなりの部分は新しくなっております。元の姿と違っていては世界遺産から除外されるのも当然の流れのようです。
しかし、世界遺産から除外されたとはいえクタイシを代表する大聖堂、観光地です。大聖堂の内部は静かで祈りを捧げる地元の人達が訪れています。観光地ではありますが地元の人達の心の拠り所としての役割を果たしています。
大聖堂の内部で見る絵はジョージア正教の宗教画ですがロシア正教に似ている印象を持ちます。
こちらは人骨なのですが、どうやら偉い人達の遺物のようです。聖遺物ということでしょうか?
夕食はビールとソーセージ
夕食はムツヘタの地ビール ZEDAZENI アルコール5% 500ml 2ラリ(90円)とソーセージ3ラリ(135円)です。クタイシの地ビールを探したのですが安かったZEDAZENIに手が伸びてしまいました。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
食費 | 11.25ラリ | – |
宿泊費 | 20ラリ | 1泊10ラリ×2 |
交通費 | 0.5ラリ | 地下鉄 |
合計 | 31.75ラリ | – |