タイ旅行で長距離バスと並ぶ重要な交通手段が鉄道です。今回はタイ国鉄でバンコクからチェンマイまで移動しましたので、その様子を紹介したいと思います。
バンコク→チェンマイのきっぷ購入
まずやって来ましたのがタイ国鉄のバンコク駅(クルンテープ、フアラムポーンとも呼ばれる)になります。このバンコク駅の歴史は古く1897年開業で東京駅(1914年開業)より歴史は古く1916年に現在の場所に駅舎が移転され100年以上の歴史を持っています。
これからきっぷ売り場でバンコク→チェンマイの切符を購入します。ネットで確認済みですが寝台の切符は売り切れで22:00発、EXPRESS 51がチェンマイ行き最終列車になり2等と3等座席が残っているだけです。
当日券窓口に10分ほど並んで今回は2等座席431バーツ(1508円)の切符を購入します。もっと安い3等座席もあるのですが、そちらはバンコクへ戻る際に乗車します。
切符情報
区間:バンコク22:00発→チェンマイ12:10着
列車等級:EXPRESS
列車番号:51
距離:751km
等級:2等座席
運賃:431バーツ(1508円)
今回は2等座席でチェンマイへ移動するのですが、バスと鉄道の料金を比較するとバス488バーツ、鉄道431バーツになりますが、地下鉄の42バーツを入れるとほとんど差がありません。安く済ませるなら鉄道で一番安い3等座席でないと意味がありません。
チェンマイ行きのきっぷが購入できましたので時間までコンコースで待ちます。列車は22:00発ですので1時間前ぐらいには乗車できるようになっているでしょうから3時間半ほどの待ち時間になります。
ホームの入口にはラーマ5世の肖像画が掲げられています。
18:00になるとコンコースの床に座っていた地元の人たちが起立して国王賛歌が流れます。タイは毎日08:00、18:00に国王賛歌が流れ公共の場所では起立します。
バンコク→チェンマイ鉄道の旅
21:00、チェンマイ行きの列車に乗車するためホームへ移動します。タイ国鉄は駅に改札口がありませんので誰でも自由にホームへ入れます。
6番線からの発車ということなのですが、すでに列車が停車しています。発車1時間前ですが結構乗車しています。もっと早くホームへ移動していてもよかったようです。
こちらがEXPRESS 51の編成で、この客車は寝台車になります。
食堂車も連結されており日本とは違い旅情たっぷりの鉄道の旅が楽しめる仕様です。
この旧型客車が座席車になります。
客車には日本では見なくなった列車の行き先が表示されたサボ(サインボード)があり、タイ国鉄ではまだまだ現役です。
2等席の9号車に乗車して席に着きます。
2等席というだけのことはあり前の席との間隔がかなりあります。LCCのエコノミークラスとは違いビジネスクラス並の間隔です。座席はリクライニングできる使用で乗り心地は3等のBOX席とは雲泥の差です。
車両はかなりの年代物のようでエアコン無し、扇風機付きの車両です。22:00発車なのですが1分早発でチェンマイへ向かいます。タイ国鉄の路線は線路幅が日本の1067mmより狭い1000mmのメーターゲージ、全路線非電化区間なのが特徴です。
発車後すぐに車内検札があります。タイ国鉄は駅に改札口がありませんので車内検札が必ずあります。途中駅からの乗車だとまれに車内検札無しで終着駅まで乗れてしまうこともありますが、基本は乗務員さんたちがしっかり車掌業務をしています。きっぷに鋏みを入れてもらい車内検札完了、日本だとスタンプですがタイ国鉄は貴重な鋏みで検札です。
そして、タイでは警察官が必ず乗車(警乗)しているのもタイ国鉄の特徴です。タイはそれほど危険だとは思いませんがスリ、置き引きの類はいるのでしょうか?夜も更けてきましたので今日はこのまま一眠りです。
朝になりました。すでにバンコク - チェンマイの半分以上の区間を過ぎました。外の景色は大きく変わり山の中です。
山の中を走ったかと思えば畑や水田の脇を走ったりかなりの田舎になってきました。
列車の乗降口扉は手動式ですので走行中でも開いたままです。日本では国鉄時代によく見かけましたがタイでは今でも手動扉で鉄道ファンにはかなりうれしい仕様です。
こちらはボックスシートの3等席です。座席は硬めで乗り心地はお世辞にも快適とはいえません。日本の115系電車のボックスシートの方が快適です。
08:45、列車が坂を上れないトラブルに遭遇します。機関車の出力不足か線路に落ち葉などが積もって空転しやすくなっているようで坂を2度戻ります。逆走しているので乗客たちが何事かと外に顔を出しています。
ディーゼル機関車1両で客車を牽引しているので日本の碓氷峠と比べれば大した勾配ではないようですが、運転する機関士さんは大変でしょう。09:15、何とか坂を上り峠を越えたようです。再びチェンマイへ向け列車が走ります。
09:30、信号場で列車交換のために停車しますが、なぜか犬が多いです。人に慣れているので周辺民家の飼い犬のようです。
こちらは保線作業員の人たちです。保線の人たちのおかげで列車の旅ができます。
10:30、ナコーンラムパーン(NAKHON LAMPANG)に到着、ここは結構大きな町で駅も大きいです。時刻表通りなら09:51着なのですが峠越えに時間が掛かった影響で約30分の遅れが発生しています。
タイ北部チェンマイ到着
12:55、約40分遅れでチェンマイ駅に到着です。バンコクからチェンマイまで約13時間の旅になりました。
チェンマイ駅のホームにはラーマ5世の肖像画が掲げられています。
チェンマイ駅は1922年開業、バンコク駅(クルンテープ)まで距離は751kmになります。北の終着駅ということだけあって時計台付きの立派な駅舎です。
駅前にはスイスで使用され、その後にタイで活躍した1912年製の蒸気機関車が展示されています。
チェンマイ駅から旧市街までは約3km離れていますのでソンテウで移動します。ソンテウはピックアップトラックを改造した乗り合いタクシーになります。チェンマイは路線バスが少なく、ソンテウが主な交通手段になります。料金は交渉制でチェンマイ駅から旧市街まで1人50バーツが目安になります。1人だけだと料金が高くなる傾向がありますので旧市街へ行く欧米人と一緒に乗車するのが良いでしょう。
ソンテウで10~15分で旧市街のターペー門(東門)に到着です。