タイ国鉄・寝台列車でバンコクからタイ・マレーシア国境パダン・ブサールまで乗車

パダン・ブサール行き列車


前日にチェンマイから鉄道に乗車してバンコクまでやって来ました。まだ時刻は早朝05:50です。バンコクからは15:10発のパダン・ブサール(PADANG BESAR)行き列車への乗り換えで約10時間の待ち時間です。きっぷはチェンマイ駅で事前に購入してありますので発車時刻を待つだけです。

バンコク駅

バンコク駅

バンコク駅のコンコースで待つことにしますが、早朝でもバンコク駅の利用客はかなり多いようです。


、タイ国歌がバンコク駅コンコースに流れ皆起立しています。タイでは、朝夕に公共の場所でタイ国歌が流れるので歩いている人たちが皆立ち止まり国王に敬意を表します。

セブン-イレブン

セブン-イレブン

過ぎになり駅前のセブン-イレブンで買い出しをしておきます。大きなバックパックを背負っているので迷惑な客なのですが入店したらバックパック背負った欧米人のお兄さんたちがすでに多数いました。ここで買い出しをするのは外国人旅行者の定番みたいです。

バンコク駅プラットホーム

バンコク駅プラットホーム

買い出しを終えてバンコク駅のコンコースに戻ってきました。ラーマ5世の肖像画の下を通りホームへ向かいます。

パダン・ブサール行き列車

パダン・ブサール行き列車

パダン・ブサール(PADANG BESAR)行きSPECIAL EXPRESS 45は3番線から発車になります。ちょうどパダン・ブサール(PADANG BESAR)からの列車が約3時間の遅延で戻ってきたところです。この後、一旦回送になり機関車を付け替えて再び入線してきます。

バンコク駅で元JR西日本の国鉄24系客車を発見

24系客車

24系客車

回送になっている間に周囲の列車を確認すると1番線にどこかでみたことのある車両が停車しています。この紫色の列車の編成は…。

「自動ドア」の文字

「自動ドア」の文字

よく見ると「自動ドア」の文字が見えます。

24系客車

24系客車

これはJR西日本からタイ国鉄に譲渡された国鉄24系客車、日本ではブルートレインとして活躍していた客車です。2016年11月までバンコク - チェンマイで運行していたのですが車両の入れ替えで定期運行が終了して、その後の動向が不明だったのですがバンコク駅1番線に留置されていました。正確には放置かもしれません。

「日本国有鉄道」や「宇都宮富士重工昭和52年」の文字

「日本国有鉄道」や「宇都宮富士重工昭和52年」の文字

車両には日本でブルートレインとして活躍していた頃の名残が各所にみられます。「日本国有鉄道」や「宇都宮富士重工昭和52年」の文字。

新潟鉄工所

新潟鉄工所

今は亡き「新潟鉄工所」。

塗装が剥げている車両もあります

塗装が剥げている車両もあります

鉄道遺産ともいえそうな車両ですが傷みも激しく塗装が剥げていたり、ガラスにヒビが入っているなど廃車寸前の状態です。

24系客車

24系客車

しかし、なぜバンコク駅の1番線に24系客車の編成があるのかが謎です。廃車するならバンコク駅に置いておく必要はないはずです。今後の動向が気になります。

寝台列車でバンコクからマレーシア・パダンブサール行きに乗車

パダン・ブサール行き列車

パダン・ブサール行き列車

、パダン・ブサール(PADANG BESAR)行きSPECIAL EXPRESS 45が入線してきました。この列車はスンガイコロク(SUNGAI KOLOK)行きのSPECIAL EXPRESS 37と連結されておりハートヤイ(ハジャイ)で切り離されます。

サインボード

サインボード

SPECIAL EXPRESS 45は客車2両、荷物車1両の合計3両編成で、残りがスンガイコロク(SUNGAI KOLOK)行きのSPECIAL EXPRESS 37になりますので、パダン・ブサール(パダンベサール)行きはスンガイコロク行きのおまけのような位置付けです。

バンコク→パダン・ブサールのきっぷ

バンコク→パダン・ブサールのきっぷ

  • 列車情報
    区間:バンコク(BANGKOK)15:10発→パダン・ブサール(PADANG BESAR)08:53着
    列車等級:SPECIAL EXPRESS
    列車番号:45
    等級:2等寝台上段(Upper Berth)
    運賃:870バーツ(3045円)
車内

車内

今回は2等寝台の2号車に乗車で車両は韓国DAEWOOのDRH-13になります。エアコンと扇風機が付いていますので3等席の扇風機のみとは違い格段に快適性が向上しています。

車内

車内

寝台車両なのですが昼間は座席車両として利用して、夜になると上段に収納されているベッドが引き出され、座席の方はベッドに変形して2段ベッドになります。座席は4人用なのですが上下の寝台の乗客2人で使用するので贅沢な仕様です。

コンセント

コンセント

客車の中央付近には220Vのコンセントがありスマートフォンの充電が可能です。

、50分遅れでバンコク駅を発車します。予定では明朝08:53にパダン・ブサール(パダンベサール)到着なのですが遅れを取り戻せるか怪しいです。バンコク市内のいくつかの駅に停車していますが車内では到着駅の案内などの放送は一切ありません。終点まで行く場合は問題ありませんが途中駅下車だと注意が必要です。

、乗務員さんと警察官たちで車内検札が始まりました。名簿に国籍とパスポート番号を控えていきます。名前は書くのに時間が掛かるようで省略です。パスポート番号を控えたりとタイにしては珍しくしっかりした対応をしています。かつての麻薬地帯であるゴールデントライアングルでの警察のパスポートチェックは日本のパスポートは中身を少し見てすぐ返却ですので、この差は大きいです。

この理由はハートヤイ(ハジャイ)を中心とするタイ南部は少数派のイスラム教徒が多く住む地域でイスラム過激派によるテロ事件も起きている地域で日本の外務省が注意情報を出していたりします。タイ政府がゴールデントライアングルよりタイ南部のイスラム過激派を警戒しているということのようです。

ベッドメイキング中

ベッドメイキング中

頃、乗務員さんによるベッドメイキングが始まります。手際よく座席から寝台へと変わっていきます。乗客たちがこの作業を見守っています。

寝台車に早変わり

寝台車に早変わり

作業が終わり見事に寝台車に早変わりです。早々と就寝する乗客もいれば夕食を食べたりスマホで動画を見たりと様々です。私はチェンマイ→バンコクの3等席がこたえましたので一眠りして明日のタイ・マレーシア国境越えに備えようと思います。

真夜中に起きたりしたのですが、この寝台列車は消灯しません。カーテンがありますので寝る分には問題はなく、むしろトイレへ行くときに通路が明るいので助かります。明日はマレーシアのパダン・ブサールに到着、マレー鉄道(KTM)に乗り換えてクアラルンプールまで向かいます。まだ、鉄道の旅は続きます。

パダン・ブサール行き列車