タイ・バンコクから鉄道とバスでカンボジア・シェムリアップまで移動しましたのでこのタイ・カンボジア陸路国境越えルートを紹介したいと思います。バンコクから国境の町アランヤプラテートまで鉄道、駅から国境までトゥクトゥク、カンボジアの国境の町ポイペトからバスでアンコールワットのあるシェムリアップへの移動になります。
追加情報
よりタイ国鉄東部本線がアランヤプラテート駅からタイ・カンボジア国境前のバンクロンルク・ボーダー駅(Ban Klong Luk Border )まで延伸されました。1日2本(早朝、昼)バンコクからバンクロンルク・ボーダー駅行きの列車が運行されアランヤプラテート駅で下車する必要はなくなり鉄道で直接国境前まで行けるようになりました。
鉄道でバンコクから国境の町アランヤプラテートへ
夜明け前の早朝4時50分、タイ国鉄のバンコク駅(クルンテープ駅)近くのロフテルステーションホステル(Loftel Station Hostel)をチェックアウトします。レセプション24時間対応ということなのでスタッフがちゃんと常駐しておりチェックアウトはスムーズです。
朝5時、タイ国鉄のバンコク駅(クルンテープ駅)に到着。まだ駅正面のシャッターが閉まっており脇へ移動してきっぷ売り場へ向かいます。
バンコク駅はクルンテープ駅、フアランポーン駅とも呼ばれており、入口には「BANGKOK」と「HUA LUMPONG」の2種類の表記があります。
今回はタイ・カンボジア国境のアランヤプラテートへ鉄道で目指します。電光掲示板を確認するとアランヤプラテート行きは5時55分発になっています。
きっぷ売場の列に並びますが夜明け前の早朝でも結構な行列です。ちなみに日の出は6時13分になります。
5時15分、アランヤプラテートまでのきっぷを購入。275列車、バンコク5時55分発車、アランヤプラテート11時35分到着、三等席で運賃48バーツになりますが列車が遅れることを前提にして13時くらいに到着すれば良い方でしょうか。
ホームへ移動しますがバンコク駅には改札口がないので乗客以外にも見送りなどの人たちも自由にホームへ入れます。早朝の時間帯でもすでにホームには多くの人たちがおります。
案内表示を確認してアランヤプラテート行きの列車へ向かいます。
ホームにはアランヤプラテート行きの列車が停車しています。
5時20分、列車に乗車します。車内はまだ空いており座席の確保は問題ありません。
ローカル列車なので座席は日本の列車のボックスシートを固くした感じです。エアコンは付いておらず扇風機が付いており窓は全開です。扇風機車両というのは日本の鉄道ファンにとってはかなり貴重な車両です。発車時刻が迫ってくると座席は7割ぐらい埋まっており利用客は多いようです。地元民に混じって欧米人バックパッカーを10人ほど見かけており外国人旅行客の国境越え交通手段としても活躍しているようです。
5時55分発車の予定でしたが6分遅れの6時1分にバンコク駅を発車します。涼しい風が車内に入りエアコン無しの扇風機車両でも日の出前なら快適です。発車後しばらくすると鋏の音が聞こえてきます。車内改札があり乗務員がきっぷに鋏みを入れていきます。きっぷに鋏を入れていくというのは鉄道ファンにとっては日本の国鉄を思い出させる懐かしい光景ともいえタイ国鉄を楽しむ重要なポイントとも言えそうです。
バンコクを離れカンボジア国境のアランヤプラテートへと列車が走りますが車窓からの風景は都会から田園風景へと変わります。途中の停車駅は小さな田舎の駅では停車時間が10秒ほどと非常に短く停車したと思ったらすぐに発車してしまいます。車内では乗務員が車内改札で巡回しており頻繁に鋏の音が聞こえてきます。日が昇るにつれ車内は暑くなり駅停車中はかなり暑いです。熱帯の暑さはかなりこたえます。
車内は空いている状態が続き混雑はなく快適です。バンコクからカンボジアへ行くのはカオサンバスが人気のようですが鉄道で国境の町まで移動するというのも料金が安いですしタイの田園風景を見られますし十分に楽しめます。
11時29分、終点のアランヤプラテート駅に到着で意外なことに定刻より6分の早着です。列車遅延が当たり前だと思っていたのでこれはうれしい誤算です。
アランヤプラテート駅から国境までの移動手段
アランヤプラテート駅からタイ・カンボジア国境のイミグレーションまで直線距離で約6kmあります。駅前通りを歩き国道を左(東)へ道なりに歩けば国境へ行けますが普通は歩きません。国境までの交通手段はタクシー、路線バス、トゥクトゥク、ソンテウになります。
路線バスが10バーツで一番安く済むようなのですが本数が少ないのと情報が少なく初心者には難しいようです。一番現実的なのは駅前にソンテウが待機していたら国境行きか確認して地元民と一緒に行くのが無難そうです。もしくは列車内で欧米人バックパッカーたちの仲間に入れてもらいグループでタクシーやトゥクトゥクなどの交通手段を確保して国境越え、更にカンボジア・ポイペトでシェムリアップまでの交通手段まで一緒に確保して行くというのもありです。
列車を降りるとトゥクトゥクの運転手たちから声を掛けられますが、ここは完全無視しておきます。駅前には列車到着にあわせてソンテウ、トゥクトゥク、バイクタクシーが待機しており賑わっておりますがソンテウはいっぱいで定員オーバーのようです。
こうなるとトゥクトゥクでアランヤプラテートの国境まで行くしかないようです。ちょうど欧米人4人がトゥクトゥクの運転手さんと料金交渉をしており1人40バーツと提示されています。1人40バーツはさすがに高い気がします。この料金交渉に横から割り込んで40バーツだったのを30バーツで値切ってみると運転手さんのOKが出ました。欧米人4人に確認してみると、こちらもOKで1人30バーツ、5人でトゥクトゥクに乗ってタイ・カンボジア国境を目指します。
本当は1人20バーツでお願いしたいところですが、たとえ20バーツで交渉成立したとしても途中で地元民の客を拾って定員オーバーで危険な移動になるのが予想されますので、国境へ早く移動するのを優先すれば1人30バーツならお互い妥協できる金額でしょう。トゥクトゥクの運転手さんも生活がかかっていますので無理な値切りはいけないですね。
国道を東へ走りタイ・カンボジア国境へ向かいます。
途中の道路標識には「BORDER」「AH1」と表示されおり、国境へ近づいているのがわかります。「AH1」はアジアハイウェイ1号線を表しており、アジアハイウェイ1号線の起点は日本の首都高の江戸橋JCT になります。
国境が近づいてきて人や車が多くなって賑わってきて11時45分、タイ・カンボジア国境に到着です。国境にはロンクルア市場という大きなマーケットがあり国境貿易でも賑わっています。
徒歩でタイ・カンボジア国境を越える
まずはタイ側アランヤプラテートのイミグレーションで出国手続きになります。国道の左(北)側が出国手続きの建物、右(南)側が入国手続きの建物になります。トゥクトゥクは国境手前の南側が終点になりますのでイミグレーションの建物を右手に見ながら国道を横断して北側のロンクルア市場へ向かい移動します。
歩道をロンクルア市場へ向かって歩くと出国者用通路の案内標識が出ていますので、これに従い歩いていきます。
ちゃんと標識が出ているのですが、標識を見落とすとマーケットまで行ってしまうので注意していきます。歩道の屋根がなくなったら行き過ぎになります。
出国者用通路を歩いていきますが、なぜか果物が売られています。
通路を進んでいくとタイ人と外国人の分かれ道に到着して外国人は右に見える階段へ向かいます。
タイ人はイミグレーション1階、外国人はイミグレーション2階の出国審査場へ進みます。
この階段を上がり出国審査場へ入ります。中は撮影禁止ですがエアコンが効いており涼しく快適です。今回は混雑しておらず待ち時間はほとんどなく順番が回ってきて窓口でパスポートと入国時にスタンプを押してもらった出国カードを提出します。何も問題なければパスポートに出国スタンプが押されてタイ出国です。
1階へ降りてタイ側イミグレーションの建物を出ます。
タイ側アランヤプラテートのイミグレーションを出たらカンボジア側ポイペトのイミグレーションへ向かいます。途中外国人を狙って様々な罠が仕掛けられていますが声を掛けられても完全無視でポイペトのイミグレーションまで行きます。
国境の橋の手前でカンボジアのゲートが見えてきます。このあたりになるとカンボジアビザの代行業者を名乗る人たちからよく声をかけられますので基本は無視です。
国境の橋を渡ります。橋にはタイ国旗掲げられていますが橋の中間が国境線になり、国境線を越えるとカンボジア国旗になります。
カンボジア側に入ると左側通行から右側通行に変わりますので道路を横断して右側の歩道を歩いていきます。ゲートの隣りにある建物がカンボジアのビザオフィスになります。
ここがカンボジアのアライバルビザ申請の建物になります。自分は3年のビザが残っているので素通りでもいいのですが中の様子だけ確認しておきます。申請窓口は空いていましたが欧米人旅行客たち10人くらいがちょうどビザ申請書類を記入しているところでしたので、これから混雑するようです。
カンボジアビザ申請の建物を出てポイペトのイミグレーションへ向かいます。ビザオフィス近くには入国審査場まで200mの案内が出ています。
ビザオフィスを過ぎればビザ代行業者のトラップはなくなりますが油断はできないので注意して進みます。
100mと標識がありますので歩いていきます。
「ARRIVAL」の文字が見えるのが入国審査場になり中へ入ると係官から入国カードをもらえます。入国カードを記入したら入国審査の列に並び順番を気長に待ちます。順番が回ってきたらパスポートと入国カードを提出します。パスポートに入国スタンプが押され出国カードがホチキスでパスポートに留められ入国手続き完了です。
イミグレーションを出て振り返ると通り過ぎてきたカジノが見えます。
カンボジア・ポイペトからバスでシェムリアップへ移動
ポイペトのイミグレーション出てカンボジア入国完了になっても油断せずにシェムリアップまでの交通手段を確保します。ポイペトのイミグレーションの前には新バスターミナル(POIPET TOURIST PASSENGER INTERNATIONAL TERMINAL)への無料シャトルバス乗り場があります。
これがイミグレーション前にある新バスターミナル行きの表示です。シャトルバスは無料ですが新バスターミナルはポイペトの町から約9km離れた国道5号沿いにあるので一度行ってしまうと戻ってくることは難しいので注意が必要です。
今回は町外れの新バスターミナル(POIPET TOURIST PASSENGER INTERNATIONAL TERMINAL)ではなくポイペトの町にある旧バスターミナル(INTERNATIONAL TOURIST TERMINAL)からシェムリアップへ向かいます。旧バスターミナルを目指してイミグレーション前で声を掛けてくる人たちは無視して国道を道なりに2kmほど歩きます。
途中でタクシーの客引きが声を掛けてきましたがシェムリアップまで1人25ドルだそうです。25ドルはかなり高いので無視です。
国道左(北)側のガソリンスタンドが目印になり脇の路地へ入っていきます。
周辺にはバスが停車していたり路地からバスが出てきたりするので、このあたりにバスターミナルがありそうな気配がしてきます。
この通りの奥に旧バスターミナルがあるのですがちょうどバスが出てきたので間違ってはいないようです。
12時45分、旧バスターミナルに到着です。バスが多数止まっているのでちゃんと営業しているようです。
ちゃんとINTERNATIONAL TOURIST TERMINALと表示も出ています。
チケット売り場は旅行客たちがおり賑わっております。窓口は会社別に分かれており2社で運営のようですが表示されている行き先・運賃は同じでチケット売り場右側の窓口だけ開いております。
とりあえずもうじきシェムリアップ行きが出発ということでバスチケットを購入します。ポイペトからシェムリアップまでのチケットは10ドルです。
バスはマイクロバスでエアコン付きで全員席に座れているので快適性重視なら許容範囲内と考えても良いでしょう。
13時にシェムリアップ行きバスが発車します。前の助手席部分は荷物置き場になっており山積みです。地元民用のバスみたいに定員オーバーで屋根に荷物が積まれるとか後部トランクルームから荷物がはみ出ているとかはないので道路上への荷物落下の心配はありません。
途中15分間の休憩が1度あり乗客たちはトイレへ行ったり飲み物買ったりします。欧米人旅行客の中にはビールを買って一杯始めている方たちもおります。この暑さではビールを飲みたくなるのも納得です。
15時40分、シェムリアップ到着です。バスはシェムリアップの市街地へは入らず4kmほど手前が終点になりました。終点にはトゥクトゥクが待機しており、料金交渉して予約したホテルやシェムリアップ中心部へ移動になります。現在地がわかればもちろん徒歩でシェムリアップ中心部への移動も可能ですがバスによってどこで降ろされるかはわからないのでシェムリアップ初めての旅行客にはハードルが高いかもしれません。
以上、バンコクから鉄道とバスでカンボジア・シェムリアップまでの移動方法の紹介でした。