パミール高原旅行記2018②キルギス・タジキスタン国境越え・サリモゴル~キジルアルト峠~カラクル湖~ムルガブ

Pamir Highway

シルクロード・中央アジアのキルギスから標高4280mのキジルアルト峠を越えてタジキスタンに入国してゴルノ・バダフシャン自治州のパミール高原に入ります。パミール高原では世界遺産に登録されているタジキスタン国立公園のカラクル湖に立ち寄ります。下記地図のルートは現地にてGPSで収集したデータを元に作成しています。

パミール高原ツアー2日目

ユルトキャンプとレーニン峰

ユルトキャンプとレーニン峰

、夜明け前に起床して外へ撮影へ出かけます。まずはザアライスキー山脈の最高峰レーニン峰(7134m)を背景にユルトキャンプを撮影します。空は明るくなってきています。

Tulpar Kol

Tulpar Kol

丘の上から湖のTulpar Kolを撮影。湖畔に馬たちがいるのが見えます。

アライ渓谷

アライ渓谷

レーニン峰から流れてくる川があり、この上流にレーニン峰登山のベースキャンプがあります。

レーニン峰

レーニン峰

こちらがザアライスキー山脈の最高峰レーニン峰(7134m)です。氷河に覆われており天候が比較的穏やかな夏に登山が行われます。

放牧された馬たち

放牧された馬たち

Tulpar Kolの湖畔にやって来ました。放牧された馬たちがおります。

放牧された馬たち

放牧された馬たち

こちらを見て警戒している馬もいますので望遠で撮影します。

ユルトキャンプとレーニン峰

ユルトキャンプとレーニン峰

、ユルトキャンプに戻ります。既に朝食の時間で私が最後に食堂に到着です。

サリモゴルからキルギス・タジキスタン国境越えパミール高原へ

ランドクルーザー

ランドクルーザー

ランドクルーザーは荷物を屋根に積んで出発の準備をします。

ヤクの群れ

ヤクの群れ

、Tulpar Kol Yurt Camp (CBT)を出発して昨日立ち寄ったCBT Officeのあるサリモゴル村(Sary Mogol)に戻り、キルギス・タジキスタン国境へ向かいます。サリモゴル村に戻る途中でヤクの群れに遭遇します。

、サリモゴル村(Sary Mogol)のCBT Officeに到着です。ドライバーさんが用事を済ませて3分ほどで出発しますが、村の銀行が閉まっておりキルギスを出る前に給油するお金がありません。昨日、ガソリンスタンドでオランダ人のお兄さんムスタファに4000ソムを借りており、さらにガソリン代借金です。ツアー代金にガソリン代入っているのに、オシュゲストハウスからドライバーさんにガソリン代を支払われたのでしょうか?それよりオランダ人のお兄さんに借金が返済されるか心配です。

家畜の群れ

家畜の群れ

、サリモゴル村(Sary Mogol)を出発します。ランドクルーザーは東へ走りキルギス・タジキスタン国境のキジルアルト峠(Kyzylart Pass)へ向かいます。道路状況は良く順調に走ります。途中何度か放牧中の牛、馬、羊たちが道路を塞いでいましたが無事にやり過ごします。このパミール高原の入口になる標高3000mの高原の道路は車だけでなく家畜の通行量も多いようです。

サリタシュ(Sary Tash)のガソリンスタンド

サリタシュ(Sary Tash)のガソリンスタンド

、オシ、サリモゴル、キジルアルト峠(Kyzylart Pass)4280mのタジキスタン国境Bor dobo、中国国境イルケシュタムの分岐点にあるサリタシュ(Sary Tash)のガソリンスタンドで給油です。

国境への道

国境への道

、給油完了、キルギス・タジキスタン国境への道に入ります。国境までの道路状況は先ほどとは変わり舗装が剥がれ補修されずにいます。
10:25、舗装の剥がれた道路から未舗装道路に変わり道路状況がさらに悪くなります。道路状況は悪いですが8月でも雪が残るパミール高原の山々が近づいてきます。

キルギス側国境Bor doboから出国

キルギス側国境Bor doboイミグレーション

キルギス側国境Bor doboイミグレーション

、キルギス・ウズベキスタン国境のキルギス側国境Bor doboイミグレーションに到着です。イミグレーションのゲートに小銃を持った兵士1人が警備中、ゲートを開けてもらいイミグレーション敷地内へ。ランドクルーザーを降りてイミグレーションの小屋へ行きます。

利用者が少ないので出国と入国が小屋の中にある一つの端末で処理されています。一人一人順番で小屋に入り出国手続きです。出国手続きはWebカメラでの撮影があり、質問はDo you know Honda?で車のホンダかと思ったら、Keisukeと言われます。サッカーの方でした。質問は「本田圭佑を知っているか?」のみで3分ほどでキルギス出国手続きは済みます。
、キルギス出国手続き完了。

全員の出国手続きが終わるまで外で待ちます。イミグレーションの警備状況は入口と出口のゲートに小銃を持った兵士が1人づつ、トラックなどの車両を検査する区画に1人、イミグレーションの小屋に1人の合計4人で国境警備をしています。宿舎と思われる建物もありますので交代要員もいると思われます。それと麻薬探知犬かペットとして犬1匹がおります。

待っている間にランドクルーザーは後部ハッチバックを開けて荷物の検査を受けております。屋根の上の荷物は検査無しでした。

キジルアルト峠への道

キジルアルト峠への道

、キルギス側Bor doboイミグレーションを出ます。舗装道路と未舗装道路が交互に変わりながら国境線のキジルアルト峠(Kyzylart Pass)に向かいます。

チェックポイント

チェックポイント

、標高4000mを越えたところでキルギスのチェックポイントに到着です。小銃を持った兵士が1人おりますが、ドライバーさんがツーリスト一行という説明をして、特に何もなくそのまま通過です。

キジルアルト峠

キジルアルト峠

、標高4280mのキルギス・タジキスタン国境のキジルアルト峠(Kyzylart Pass)に到着、ここで撮影タイムです。

キジルアルト峠

キジルアルト峠

ほとんど草が生えていない乾燥した厳しい自然環境です。キルギス側を見ると青空が広がり雪山が少し見えます。

キジルアルト峠

キジルアルト峠

こちらはタジキスタン側の風景で道が下っているのが見えます。

キジルアルト峠

キジルアルト峠

キルギスとタジキスタンの国境線になるキジルアルト峠にはマルコポーロ・シープの像があります。マルコポーロ・シープは13世紀の探検家マルコポーロの東方見聞録に記載されていることに名前が由来します。

キルギス時間からタジキスタン時間に時差調整

国境の峠から先はキルギス時間からタジキスタン時間に1時間遅れの時差調整を行います。タジキスタンはタイムゾーンがGMT+5になり以下のように日本より4時間遅れになり以下のような時間関係になります。

タジキスタン(GMT+5) キルギス(GMT+6) 日本(GMT+9)

タジキスタン側国境キジルアルト(Kyzylart)イミグレーションから入国

タジキスタン側国境キジルアルト(Kyzylart)イミグレーション

タジキスタン側国境キジルアルト(Kyzylart)イミグレーション

、標高4200mのタジキスタン側国境キジルアルト(Kyzylart)イミグレーションに到着です。

警備の兵士は入口のゲートに1人、イミグレーションに2人の3人しか見あたりません。他にもいくつか建物がありますのでそこにもいるのでしょう。

タジキスタンの入国カードをもらい記入します。2枚分記入しますがキリル文字と英語で書かれているのでよくわかりません。日本人同行者のOさんに聞いて記入項目を理解します。英語の出来る人は頼りになります。

タジキスタンビザ

タジキスタンビザ

タジキスタンの入国手続きはオンライン化されておらず台帳管理です。パスポートと入国カードを提出します。すぐにパスポートと入国カードにスタンプが押され、1人が入国カードの処理、1人が台帳にパスポートとビザ情報を記入します。台帳記入が終わったらパスポートと入国カード1枚が返却されます。入国カードにはスタンプが押されており出国時に必要ですので無くさないように保管しておきます。

GBAOパーミット

GBAOパーミット

、タジキスタン入国完了、出発しますが出口のゲートで続いてパミール高原のパーミットのチェックがあります。ドライバーさんがパスポートとE-VISAを回収して小屋へ向かいます。私はビシュケクのタジキスタン大使館で通常のビザ申請ですのでパスポートにビザとパーミットがあります。
、パミール高原への入域手続きが終わり出発します。

パミールハイウェイからカラクル湖へ

左の柵がタジキスタン・中国の国境地帯

左の柵がタジキスタン・中国の国境地帯

タジキスタン・中国の国境地帯の柵に沿って走ります。この柵は実際の国境線ではなく緩衝地帯への境界線になります。柵のさらに奥にタジキスタン・中国の国境線があります。
、舗装道路に変わります。舗装道路に変われば多少の穴があってもランドクルーザーなら80km/h以上で飛ばします。

自転車

自転車

パミール高原は欧米人に人気の観光地ですので自転車やバイクも多いです。

自転車

自転車

1匹狼の単独やグループでキルギスへ向かうなど様々です。

Pamir Highway

Pamir Highway

Pamir Highway(M41 highway)をカラクル湖へ向けて走ります。

携帯電話はGSMのみ

携帯電話はGSMのみ

国境からカラクル湖は携帯電話の電波はMegaFonのGSMのみしか入りません。

昼食はラグマン

昼食休憩

昼食休憩

、カラクル湖(Karakul)が見えてきました。
、カラクル湖沿いのカラクル村のゲストハウスで昼食休憩です。

昼食

昼食

昼食はラグマンとナンで120ソム(197円)でした。支払いはソモニ、ドル、ソムOKでキルギスで使い切らなかったソムで支払います。

世界遺産タジキスタン国立公園・カラクル湖(Karakul Lake)

カラクル湖畔

カラクル湖畔

、食後に村の西にある標高3900mのカラクル湖で観光です。

カラクル湖

カラクル湖

オランダ人のお兄さんたちはカラクル湖で泳いでいます。

カラクル湖

カラクル湖

真夏の8月とはいえ標高3900mのカラクル湖はかなり冷たいです。

カラクル湖

カラクル湖

カラクル湖(Karakul Lake)は2013年にユネスコの世界自然遺産に登録されたタジキスタン国立公園(パミールの山々)(Tajik National Park (Mountains of the Pamirs))を構成する湖になります。2001年にはラムサール条約にも登録されています。湖の名称「Karakul」はキルギス語で「黒い湖」を意味している事に由来します。湖の直径は25kmになり500万年前に衝突した隕石のクレーターになります。クレーター自体は外縁部まで含めると直径52kmにもなります。湖周辺は湿地や牧草地になっており野生動物のアイベックスやマルコポーロ・シープが生息しています。

カラクル湖とパミールの山々

カラクル湖とパミールの山々

カラクル湖からは真夏の8月でも雪を頂いたパミールの山々が見ることが出来ます。

ランドクルーザー

ランドクルーザー

、ムルガブへ出発準備となります。出発前にタイヤの空気を補充します。このランドクルーザーはスピードメーターや燃料計が壊れているのですが、小型のコンプレッサーはちゃんと準備してあります。コンプレッサーは準備しているのにメーターの方はなぜ故障したまま放置なのでしょうか?しっかりタイヤに空気を補充して準備万端です。

、カラクル湖を出発してムルガブに向かいます。カラクル湖を過ぎても道路左側にはタジキスタン・中国国境の緩衝地帯の柵が続いています。道路状況は悪いままで穴のあいた舗装道路、未舗装道路が続きます。

、Pamir Highway(M41 highway)で一番標高の高いアク・バイタル峠(4655m)を越えます。峠にはバイクのグループが停車しておりパミール高原からキルギスへ抜ける途中のようです。峠を越えて80~90km/hでパミール高原を飛ばしていきます。
、タジキスタン・中国国境の緩衝地帯の柵が見えなくなりました。ランドクルーザーはムルガブへ向けてパミール高原の穴の開いた道路を100Km/hで飛ばしていきます。

ムルガブに到着

パミールホテル

パミールホテル

、ムルガブに到着です。今日の宿泊場所はパミールホテルでムルガブで一番立派なホテルでロンリープラネット Central Asia 2018年版にも掲載されている定番の宿です。1泊朝食付き10ドルの4人ドミトリーになります。Wi-Fi無し、電力供給は自家発電でになります。

タジキスタン・ムルガブ(Murgab) パミール高原東の拠点ムルガブのホテル「Pamir Hotel」

2018年10月26日
携帯電話の電波状況

携帯電話の電波状況

ムルガブでは携帯電話の電波は4社が入ります。3GはMegaFonのみ残りはGSMのみです。

パミール高原ツアー参加者が増える

この後、オランダ人のムスタファさんたちが中国人のお姉さんについてどうするか相談してきます。私は英語が分かりませんので日本人同行者Oさんと相談です。どうやら、お姉さんはこのまま一緒にホログまで同行したいようです。昨日は病気なのでムルガブまで乗せていって欲しいというドライバーさんの話でしたが随分と話が違います。

私達が車をチャーターしているのにドライバーさんが勝手に客をとっているのでしょうか?どうもドライバーさんは信用できませんね。お姉さんの方もさすがに私達のチャーター車にタダノリは困りますのでツアー代金を負担させるという事になります。問題はどうやってお金の話を切り出すか皆で相談しています。

この時、ムルガブまででツアーに申し込んでいたフランス人のお兄さんもこの先のパミール高原とワハーン回廊の分岐点近くの村まで延長というのを知らされましたが、こちらはオシュゲストハウスから一緒ですので特に問題ありません。

、オランダ人2人、日本人2人、フランス人1人、中国人1人が集合して費用分担の打ち合わせです。見た目がスティーブジョブズのムスタファさんが仕切って中国人のお姉さんにツアー代金の話をします。私は英語での会話内容はさっぱりわかりませんが、殴り合いの喧嘩にならないか心配しながら話の行方を見守り、上手くムスタファさんが話をまとめてお姉さんがツアー代金を分担してくれることになりました。

ムルガブのバザールでドルからソモニへ両替

バザールへ行きます

バザールへ行きます

、話がまとまったので6人でムルガブのバザールへ行きます。ムルガブにも銀行があるらしいですがそれらしい建物が見あたらないのでバザールの商店で両替します。

バザール

バザール

ムスタファさんやOさんたちが両替レートの良い商店を見つけてくれたので、そこでドルと余っているキルギスソムをソモニに両替します。
ドルとソモニの両替レートは以下の通りです。

  • 公定レート
    1ドル=9.42ソモニ
  • 市中銀行レート
    1ドル→9.39ソモニ
  • 両替
    90ドル→855ソモニ
    294ソム→39ソモニ

キルギスソムは7.5ソム→1ソモニなのでキルギス・オシュの両替所の方がレートは良いです。オシュの両替所は7ソム→1ソモニの表示がありましたし、ほとんどが7.2ソム→1ソモニでした。

ドルはタジキスタン中央銀行の公定レート1ドル=9.42ソモニなのですがバザールの商店では1ドル→9.5ソモニでレートが良いです。ただし、下記のような両替レートの制限がありました。

  • 1ドル紙幣 1ドル→8ソモニ
  • 20ドル、50ドル紙幣 1ドル→9.5ソモニ

タジキスタンでは商品仕入れの決済で高額紙幣が好まれ、小額紙幣の1ドル紙幣はレートが低くされています。5ドル、10ドル紙幣は確認していませんので不明です。ムルガブのバザールでの両替で894ソモニを入手しました。

バザールでの物価は以下の通り。

  • ミネラルウォーター 6L 30ソモニ(351円)
  • ミネラルウォーター 1.5L 10ソモニ(117円)
  • ビール1L 15ソモニ(176円)

店にもよりますがミネラルウォーターは大容量で購入した方が良さそうです。タジキスタンはイスラム教の国なのですがビールがバザールでこっそりと売られています。地元の人たちもアラーに見つからないように隠れてビールを飲んでいるようです。

ホテルで夕食を食べたらやることがありません。夜は電気が使えるのが23:00までなので22:30に就寝です。

旅行費用
項目 金額 備考
食費 20ソモニ
合計 20ソモニ 1ソモニ≒11.7円
円換算:234円
旅行費用
項目 金額 備考
宿泊費 10ドル 1泊×10ドル
合計 10ドル 1ドル≒112円
円換算:1120円
旅行費用
項目 金額 備考
食費 120ソム
合計 120ソム 1ソム≒11.7円
円換算:197円
Pamir Highway