シルクロード・中央アジアのタジキスタン東部ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境にあるワハーン回廊にやって来ました。キルギス・オシュから始まったパミール高原ツアーの5日目はワハーン回廊ヤムチュン(Yamchun)のビビファティマ温泉(Bibi Fatima Springs)からガラムチャシュマ温泉(Garam Chashma)までの約150kmを移動します。下記地図のルートは現地にてGPSで収集したデータを元に作成しています。
パミール高原ツアー5日目
フランス人のお兄さんがヤムチュンのビビファティマ温泉でツアーから離脱します。ランガル(Langar)まで戻り、周辺の村に立ち寄りながら対岸のアフガニスタンに行くようです。ランガルに国境の橋がありますが外国人が通行できるような話は聞いていないので本当にアフガニスタンに行くのでしょうか?
、標高3180mのビビファティマ温泉を出発して山を下っていきます。峡谷の対岸はアフガニスタンです。
標高2800mのヤムチュン(Yamchun)からアフガニスタンとの国境線になるパンジ川に沿って進みます。徐々に標高も下がっていきます。
Khaakha Fortress
、標高2640mのKhaakha Fortressに到着です。ここはタジキスタン・アフガニスタン国境の哨戒所になっており、遺跡内にタジキスタン軍の小屋があります。Khaakha Fortressは遺跡であり現役の軍事施設でもあります。タジキスタン軍がここで国境警備しているのはテロより麻薬の密輸ルート遮断が主な目的と思われます。
兵士は外に出ていただけで小銃を持って警戒中の兵士1人、小屋の外に2人、水汲みで2人の合計5人は確認できました。小屋の中にもまだいそうです。
Khaakha Fortressは4世紀にクシャーナ朝により建設されました。城壁の全長は750m、最大幅は280mになりパンジ川沿いの位置しております。クシャーナ朝は全盛期に中央アジアから北インドにかけて勢力を拡大させていましたが、サーサーン朝のシャープール1世との戦いに敗れ、以降は領土を次々と失っていました。サーサーン朝やクシャーノ・サーサーン朝によるパミール高原への侵入を防ぐ目的とワハーン回廊におけるシルクロードの交易路を確保するために建設されたと考えられています。
要塞からは対岸のアフガニスタンのQazi Deh村が見えます。
要塞の向かいには畑や木々が見え今まで見てきたアフガニスタンの村では規模が大きいです。
畑が多くありパンジ川や背後の山から流れる川を利用して灌漑用水路が整備されていると思われます。
ワハーン回廊は厳しい自然環境と人口が少なすぎるために戦略的価値がほとんど無いようでタリバンやアルカイダともほぼ無縁、古くはソ連のアフガン侵攻でもほとんど影響を受けずにいた地域です。Khaakha Fortressはそのワハーン回廊の入口付近にあります。
ワハーン回廊を出てイシュカシムに入る
、Khaakha Fortressを出発します。道路沿いの畑では麦を収穫する地元の人達がおります。ワハーン回廊を出てイシュカシム(Ishkashim)に近づくと舗装道路が多くなってきて道路状況が改善されてきます。そして、道路上をタジキスタン軍の兵士がグループで歩いているのを見かけます。ワハーン回廊では兵士が歩いている姿は見かけずタリバンやアルカイダの脅威は感じられませんでしたがイシュカシムからは状況が違います。パンジ川の対岸にあるのはテロの本場アフガニスタンです。ワハーン回廊のアフガニスタンとは別世界のようです。
、イシュカシムに入ると中心部に信号機が1箇所あります。ここがホログ~ワハーン回廊~ムルガブで唯一の信号機です。
イシュカシムを出た所のガソリンスタンドで給油します。
、国境のアフガンマーケット付近を通過します。タジキスタン・アフガニスタン国境のゲートは閉まっておりアフガンマーケットはお休みです。
、昼食休憩です。ホテルとレストランになっておりちょうど昼食時で地元の人や外国人観光客で賑わっています。
昼食はマンティ 18ソモニ(211円)を頂きます。中身は牛肉、タマネギです。
ガラムチャシュマ温泉
、ガラムチャシュマ温泉(Garam Chashma)のホテルに到着です。1泊15ドル4人ドミトリー 夕食・朝食付、夕食のみは13ドル。部屋にはブラウン管テレビ、扉の閉まらない中国製冷蔵庫があります。
ここガラムチャシュマ温泉の入湯料は10ソモニです。外から見ると黄龍やパムッカレに似たような石灰華が見えます。
ビビファティマ温泉でツアーを離脱したフランス人のお兄さんが払った追加料金60ドルを4人で分けて15ドルづつ返金になります。フランス人のお兄さんはもともとパミール高原ツアーはムルカブまでで申し込んでいたのですがムルカブからビビファティマ温泉まで延長で一緒に来ました。
途中から参加した中国人のお姉さんに関してはオランダ人同行者のお兄さんたちが料金130ドルを徴収しますが、ドライバーさんが130ドルのうち100ドルよこせと言っているようです。残りの30ドルはブルンクルでの追加料金に当てますので結局全部よこせという事です。車のチャーター代807ドルは支払い済みなのですが、ドライバーさんが連れてきた客だから100ドルよこせという事のようです。初めは病気だからムルガブの病院まで乗せて欲しいということだったのですがやはり大嘘でした。
ここで揉めるとドライバーさんが契約を破棄して逃げ出す可能性があるのでホログ到着まで保留にして、ホログ到着後に何も言わなければ100ドルは4人で分ける。言ってきたら100ドル渡すという事です。100ドルは大金ですので揉めると仲間を集めて奪いに来るでしょうから安全最優先です。
ガラムチャシュマ温泉はホログから約40kmの距離で車で2時間もあれば行けてしまいます。ドライバーさんはホログの自宅へ帰り明日の朝迎えに来るということです。ドライバーさんがホログに帰るのなら温泉なんか省略して全員でホログまで行ってしまった方が良いと思うのですが。
項目 | 金額 | 備考 |
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食費 | 18ソモニ | – |
合計 | 18ソモニ | 1ソモニ≒11.7円 円換算:211円 |
項目 | 金額 | 備考 |
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宿泊費 | 13ドル | – |
合計 | 13ドル | 1ドル≒112円 円換算:1456円 |