パミール高原旅行記2018⑥ホログから首都ドゥシャンベまで16時間の移動

ホログへの道

シルクロード・中央アジアのタジキスタン東部ゴルノ・バダフシャン自治州にやって来ました。世界の屋根とも呼ばれるパミール高原やアフガニスタンとの国境にあるワハーン回廊があることで知られています。キルギス・オシュから始まったパミール高原ツアーの最終日の6日目はガラムチャシュマ温泉(Garam Chashma)から州都ホログ(Khorugh / Хоруғ)まで移動します。さらにホログから首都ドゥシャンベまで移動します。下記地図のルートは現地にてGPSで収集したデータを元に作成しています。

パミール高原ツアー最終日6日目

ホログへの道

ホログへの道

、ガラムチャシュマ温泉(Garam Chashma)を出発します。州都ホログまでは約40km、約1時間の道のりです。
、チェックポイントに到着です。ここではパーミットのみの確認です。
、チェックポイント通過して対岸がアフガニスタンの峡谷をランドクルーザーが走っていきます。ホログまでの道では地元の人達がヒッチハイクをしてきます。公共交通機関が無いようで行き交う車をタクシー代わりに拾うようです。

ホログへの道

ホログへの道

この地元民のヒッチハイクは意外と多く途中何度も見かけます。

ホログ

ホログ

、ホログ中心部に入ります。ホログは人口3万人ほどでゴルノ・バダフシャン自治州の州都になりパミール高原で一番大きな町でもあります。ホテルやゲストハウスの看板も多く見かけパミール高原ツアーの拠点になっていることが伺えます。

ホログのドライバーさんの自宅

ホログのドライバーさんの自宅

、ホログのドライバーさんの自宅に到着です。これで5泊6日パミール高原ツアーは終了です。ドライバーさんは自宅は看板を出してはいませんがゲストハウスを経営していました。オランダ人のお兄さん2人と中国人のお姉さんはドライバーさんの自宅に宿泊ということになり、私と日本人同行者Oさんはドゥシャンベまで移動するのでバスステーションへ向かいます。昨日のツアーに途中参加の中国人のお姉さんの料金は結局ドライバーさんに取られてしまいました。私はこのドライバーさんが信用できませんので早くホログから離れたいの一心です。

パミール高原ツアーまとめ

  • ツアーの費用は?
    キルギス・オシュ~タジキスタン・ムルガブ~ワハーン回廊~ホログでランドクルーザー1台チャーター、5泊6日で807ドルです。この807ドルを参加人数で割ります。車とドライバーの料金だけですので、宿泊費、食事は各自で別途負担になります。
  • 水は多めに持って行くべきか?
    水は1.5L 2本 6L 1本を持って行きましたが1.5L 2本でも多かったです。朝昼晩の食事に出るチャイで十分水分補給できました。
  • 非常食は必要か?
    非常食にお菓子を持って行きましたが必要ありませんでした。食事の時に出るナンを食べていれば常に満腹でお菓子の出番がありません。それに宿泊地の村の商店でスニッカーズとかのお菓子や缶詰、ビールが売られていますので事前に準備しなくても大丈夫です。
  • ツアーは5泊6日必要か?
    私の参加したツアーですと4泊5日で十分でした。毎日早朝出発だったら3泊4日で十分走破できます。
  • ドライバーさんは信用できますか?
    人によって違うと思いますが、今回のドライバーさんは信用できませんでした。理由はドライバーさんがサリモゴルのユルトキャンプ宿泊時に途中参加した中国人のお姉さんを最初に「病気だから病院のあるムルガブまで乗せて欲しい」と言ってきたのでしたが実際は大嘘で私達がチャーターしている車に勝手に客を乗せていたということです。
  • ツアー参加者以外は乗せてはいけない
    上記のドライバーさんの大嘘に付随しますが、チャーターした車には空席があっても途中参加者を乗せてはいけません。理由は既に車のチャーター代をドライバーさんがもらっているにも関わらず、ドライバーさんが途中参加者から料金を取ろうとします。本来はチャーター代を支払った参加者に還元されるべきなのですが、そういった事はドライバーさんには通じません。

    特にドライバーさんが客を連れてきた場合は要注意です。途中までだからと善意で1日だけ無料で乗せたとしても、我々のいない所で小遣い稼ぎでタクシー代を取っている可能性があります。

  • パミール高原でWi-Fiは使えるか?
    Wi-Fiは使えません。オシュを出発してからホログまでWi-Fiの使える宿泊施設はありませんでした。
  • 電気・水道は使えるのか?
    基本的に使えないと思ってください。ムルガブで一番のパミールホテルでも電気は自家発電で19:00~23:00までの供給です。ヤムチュンのビビファティマ温泉では昼間でも使用可能でした。
  • ゲストハウスの食事は美味しいか?
    正直言って食事は期待しないでください。ツアーに一緒だったオランダ人、フランス人のお兄さんたちは完食することが一度もありませんでした。私はよほど不味くない限りは残しませんが、味より量が少ないことに不満を持ちました。ようするに味も量もイマイチです。美味しいタジク料理はホログやドゥシャンベのレストランで食べた方が良さそうです。その分高くなるでしょうが。
  • 初めてのバックパッカー旅行でパミール高原を選ぶのは?
    タイか台湾あたりにした方がよいです。ツアーに一緒だったスティーブジョブズそっくりのオランダ人のお兄さんムスタファはパミール高原ツアーを後悔してました。初めてのバックパッカー旅行でWiーFi無し、電気水道も不便、重度の腹痛でタジキスタン軍にまでお世話になってしまい、これほど過酷な旅行だとは思っていなかったようです。

ホログから首都ドゥシャンベまでマルシュルートカで移動

ドゥシャンベ行きバス乗り場

ドゥシャンベ行きバス乗り場

、バスステーションにやってきました。バスステーションといっても看板は出ておらず普通の駐車場です。バスは見当たらずタクシーだけです。初めはタクシーと交渉しますがバスがあるという情報を入手して待ちます。

ドゥシャンベ行きマルシュルートカ

ドゥシャンベ行きマルシュルートカ

、ドゥシャンベ行きバスが来ました。バスといってもベンツのマルシュルートカです。ドゥシャンベからホログをマルシュルートカが走っているという情報はなかったのですが、ご覧のように15番マルシュルートカが目の前にいます。

実はこの15番マルシュルートカはドゥシャンベ市内を走るマルシュルートカです。なぜかドゥシャンベ市内を走るマルシュルートカがホログからドゥシャンベの長距離路線を走っています。都市部を走るマルシュルートカですので荷物を置くスペースが無く通路にも荷物があふれた状態で乗車します。

車内

車内

、ドゥシャンベ行きマルシュルートカが乗客18人で出発します。ホログからドゥシャンベまで約600kmの道のりです。出発してすぐに修理工場に立ち寄りタイヤに空気を補充します。これからのドゥシャンベまでの悪路を予感させる光景です。メンテナンスの間に料金徴収がありホログからドゥシャンベまでの運賃は250ソモニになります。タクシーだと1人300ソモニぐらいからですので予想より安くなりました。

修理工場でメンテナンスが終わったら向かいのガソリンスタンドで軽油を給油です。ここでホログの1Lあたりのガソリン価格を調べておきますガソリンはハイオクのオクタン価95とレギュラーのオクタン価92の2種類です。レギュラーガソリンが1L 8.2ソモニ(96円)に対して同時期の日本では151.8円で日本のガソリン価格の高さがよくわかります。

タジキスタンのガソリン価格
種類 オクタン価 価格(タジキスタン) 価格(日本)
ハイオク 95 8.5ソモニ(99円) 162.6円
レギュラー 92 8.2ソモニ(96円) 151.8円
軽油 8.4ソモニ(98円) 130.5円

調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁

給油を終えて、首都ドゥシャンベに向けて出発します。ホログからドゥシャンベまでは約600kmの距離、所要時間は12~20時間を想定しています。

アフガニスタンとの国境に沿って走りますが道路状況は良くありません。舗装道路の区間は少なく未舗装道路が多いです。アフガニスタンとの国境沿いということもあり時折タジキスタン軍の兵士が巡回しているのが見かけられます。

、チェックポイントですがドライバーさんだけが小屋に行きます。ゴルノ・バダフシャン自治州から出るのでパスポート確認は無しです。
、Rushonを通過します。
マルシュルートカはスピードが出ず40km/hぐらいが精一杯です。穴だらけとはいえこの道路状況ならパミール高原で乗ったランドクルーザーは80km/h出しています。

昼食休憩

昼食休憩

、標高1740mの峡谷のレストランで昼食休憩です。

右岸がアフガニスタン

右岸がアフガニスタン

目の前の峡谷の対岸はアフガニスタンです。アフガニスタン側は全く人の気配がありません。ここで使える携帯電話はMegaFon GSMのみです。タジキスタン・アフガニスタン国境でもホログからの幹線道路沿いは電波が入るようです。

車内

車内

、再びタジキスタン・アフガニスタン国境の峡谷を進みます。日本人同行者Oさんが乗客から入手した情報だとドゥシャンベには早朝5時前後に到着見込みのようです。運賃が安いのでスピードが出ずに時間がかかりますので仕方がないですね。ホログからは高くてもランドクルーザーのタクシーでドゥシャンベまで行った方が時間短縮できるでしょう。

チェックポイント

チェックポイント

、Vanch Valleyへの分かれ道にあるチェックポイントに到着です。ここは警備が厳しく全員の身分証とパスポートの確認があります。パスポートは小屋に持って行き処理をしており待たされます。
、ゲートが開き出発します。タジキスタン・アフガニスタン国境をマルシュルートカがノロノロと進みます。

携帯電話の電波状況

携帯電話の電波状況

アフガニスタン側にも携帯電話の基地局が見えるのでネットワーク検索するとアフガニスタンのMTNの電波が届きます。MTNのGSMがローミングできるか試してみますがドコモではMTNはローミングできないようです。後で調べたらアフガニスタンではRoshanAfghan WirelessがドコモのSIMでローミング可能でした。

カレイカム

カレイカム

、カレイカム(Kalaikhum / Қалъаи Хумб)で夕食休憩です。アフガニスタンとの国境沿いの町でスーパーマーケットがあります。宿はGoogle Mapsをみると1軒あるようです。ホログからドゥシャンベまで4割ほど進んだ地点になります。

カレイカムの道路標識

カレイカムの道路標識

このカレイカムで道が分岐していてドゥシャンベまでは北の山の中を進むルートとアフガニスタン国境の峡谷に沿って南のクリャーブ(Kulob / Кӯлоб)方面を進む2つのルートがあります。マルシュルートカはアフガニスタン国境に沿って走る南のルートです。

、カレイカムを出発します。
、チェックポイントで身分証とパスポート確認です。ドライバーさんがパスポートを持って事務所へ向かいます。ここでこのマルシュルートカの外国人は日本とベラルーシの2カ国というのが判明します。処理が終わりパスポートが返ってきてもドライバーさんは事務所に戻り、さらに何かの手続き中で長引いています。
、ようやく出発です。

旅行費用
項目 金額 備考
交通費 250ソモニ ホログ→ドゥシャンベ
合計 250ソモニ 1ソモニ≒11.7円
円換算:2925円

ドゥシャンベまでの悪路が続く

、チェックポイントです。小銃を持った兵士が車内を確認、パスポート確認は無し。
、出発します。

ホログから16時間でドゥシャンベ到着

ドゥシャンベに到着

ドゥシャンベに到着

、タジキスタンの首都ドゥシャンベに到着です。

バスターミナル

バスターミナル

ちょうどドゥシャンベ駅の東にあるバスターミナルが終点でした。

グリーンハウスホステル

グリーンハウスホステル

、バスターミナルから20分ほど離れたグリーンハウスホステルに到着です。24時間対応ということで予約無しで日本人同行者Oさんと共に行き、入口のチャイムを鳴らしたらスタッフさん起きていました。何とか寝床を確保できました。

私はシャワーと洗濯して寝ます。日本人同行者Oさんはソファーを使わせてもらい朝にはサマルカンドへ向かいました。私もサマルカンドへ早く行きたいのですがホログからドゥシャンベまでの移動で疲れてしまったので1日休みます。

ドゥシャンベ駅からセメントファクトリーのタクシー乗り場を確認

ドゥシャンベ駅

ドゥシャンベ駅

昼頃、ドゥシャンベ駅にやってきました。

3Aのバス

3Aのバス

ここから3Aのバスに乗車してパンジケント(Panjakent / Панҷакент)行きタクシー乗り場がある終点のセメントファクトリーまで向かいます。ロンリープラネットだと3番バスで紹介されていたのですがよく見ると3Aになっています。車体が新しいので更新時に番号も変えたのでしょうか?乗車して念の為に運転手さんと乗務員さんにセメントファクトリーまで行くか聞いてみたら、私の下手な英語は通じません。Google Mapsで見てもらってもわからない様子です。

そうしている間に次のバス停に到着して大量の地元の乗客が乗車してきました。その中の英語OKの人がどこに行くのか聞いてきたのでセメントファクトリーと答えたらタジク語で乗務員さんに伝えてくれて、やはり3Aバスで合っていました。Google Mapsでマークしていた場所が終点でした。なぜGoogle Mapsを見ても運転手さんと乗務員さんは分からなかったのだろうか?

バスが合っていましたので乗務員さんに運賃1ソモニを払おうとしたら運賃受け取らずに席に座らされてしまいました。なぜか終点のセメントファクトリーまで無料で乗車できてしまいました。

セメントファクトリーのタクシー乗り場

セメントファクトリーのタクシー乗り場

、セメントファクトリーのタクシー乗り場にやって来ました。車が多く停まっていますが行き先表示はないのですがパンジケント行きタクシーはあるようで建物の柱にПанҷакентの表示があります。

再び3Aバスに乗車しますが、ここでも運賃の現金払いは拒否されてしまいますがタダで乗せてくれました。乗務員さんが「City Card only」と言っていたので調べてみたらドゥシャンベのバスはCity Cardと呼ばれるICカードが導入されています。

旅行費用
項目 金額 備考
食費 16ソモニ
合計 16ソモニ 1ソモニ≒11.7円
円換算:187円
旅行費用
項目 金額 備考
宿泊費 7ドル 1泊×7ドル
合計 7ドル 1ドル≒112円
円換算:784円
ホログへの道