出雲大社へは一畑電車で行くのが一番!何と言っても旅の情緒があります。車やバスでは旅の情緒はイマイチですし、車では高い駐車場料金を巻き上げられて観光する気分にはなれません。今回は一畑電車でのんびりと出雲大社観光です。
一畑電車で電鉄出雲市→出雲大社前
出雲市駅にやって来ました。今日は出雲大社へ向かいます。出雲市駅の隣に一畑電車の電鉄出雲市駅があります。
電鉄出雲市駅から一畑電車に乗車します。出雲大社前駅まで運賃490円です。バスだと470円で20円安いのですが、ここは旅情に浸るために鉄道で行くのが一番良いでしょう。
08:30発、松江しんじ湖温泉行きに乗車、川跡駅で出雲大社前行きに乗車します。
08:53、出雲大社前駅に到着です。出雲大社前駅から出て右(北)へ門前町を400mほど歩くと出雲大社です。
門前町を歩いて行く途中、左手に見える竹野屋旅館は歌手の竹内まりやさんのご実家。出雲大社のすぐ目の前に構える老舗旅館です。
出雲大社
門前町を抜けると見える鳥居が勢溜(せい だまり)の大鳥居です。この勢溜(せい だまり)の大鳥居は出雲大社の定番撮影スポットです。
勢溜(せい だまり)の大鳥居から振り返り門前町を見ると遠くに出雲大社の大鳥居が見えます。あの鳥居は「出雲大社宇迦橋大鳥居」です。1915年(大正4年)に建てられた鉄筋コンクリート造で建立当時は日本一の高さ23mを誇りました。2015年(平成27年)国登録有形文化財になりました。
勢溜(せい だまり)の鳥居をくぐると下り坂の参道が続きます。神社の参道は上り坂が多いのですが、出雲大社は全国的にも珍しい下り坂です。お参りする人には楽で自然と足が進みます。
下り坂を降りきるとあるのが三之鳥居にあたる鉄の鳥居です。この先は松並木の参道になりますが松保護のため通行禁止、脇の道を歩いて行きます。
出雲大社ですので神話「因幡の白兎」でオオナムチ(のちの大国主大神)と白ウサギが出会う場面が再現されています。
こちらの大国主大神(オオクニヌシノカミ)の像は説明に「幸魂奇魂」とありますので、出雲の大国主大神(オオクニヌシノカミ)と大和の三輪山の大物主(オオモノヌシ)の話を表しています。
松の参道を過ぎると銅の鳥居が見えてきます。銅の鳥居の先に出雲大社の拝殿や本殿があります。
正面の大きな社殿は拝殿になり、まずはここでお参りです。朝から多くの観光客がお参りしています。
拝殿にある大注連縄はなかなか大きいですね。
普通の神社にはこのような大注連縄はなかなか無いでしょうから出雲大社の格が違いますね。
拝殿の奥にあるのが八足門になり、門の奥に出雲大社の御本殿があります。ここから先には入れませんので、多くの観光客が八足門でもお参りしています。
本殿を囲む瑞垣に沿って一周して行きます。
絵馬やおみくじが沢山あり出雲大社を訪れる人達の多さが実感できます。
本殿の裏手に来ると「素鵞社(そがのやしろ)」があります。この「素鵞社(そがのやしろ)」には天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟神、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が祀られています。素戔嗚尊(スサノオノミコト)はヤマタノオロチを退治して奇稲田姫(クシナダヒメ)を妻に迎えて大国主大神(オオクニヌシノカミ)が生まれます。
本殿の裏手からは出雲大社の美しく整った社殿が見られます。
こちらが本殿になります。「大社造」と呼ばれる日本最古の神社建築様式で建てられており高さ24mになり国宝にも指定されています。古代の出雲大社の本殿は現在の2倍にもなる高さ48mになったそうです。
北島国造館
続いて出雲大社境内の東隣にある北島国造館(きたじまこくそうかん)へ。北島国造館は、大国主に仕える天穂日(アメノホヒ)の子孫、出雲国造家が創設した出雲教の施設になります。こちらの見どころは立派な庭園と「亀の尾の滝」です。
亀の尾の滝の水は、近くを流れる能野川(吉野川)上流から引かれています。滝の前にある天神社の御祭神は少名毘古那神(スクナビコナノカミ)です。少名毘古那神(スクナビコナノカミ)は大国主大神の国造りに参加した神様で医療やまじないの神様でもあります。
こちらは北島国造館の御神殿になります。
出雲阿国の墓
10:30、次にやってきたのが出雲大社から10分ほどの所にある出雲阿国の墓です。出雲阿国は歌舞伎の創始したことで知られ出雲大社の巫女であったと伝えられています。出雲大社の修復費用を寄付してもらうために京都で歌舞伎踊りを始めて評判となり、豊臣秀吉や徳川家康の前で歌舞伎踊りを披露するほどの人気となったそうです。
稲佐の浜
10:45、出雲大社の西にある「稲佐(いなさ)の浜」にやってきました。天気が悪くて青空のない海岸は見ていてもつまらないのですが、稲佐の浜は日本の渚100選にも選ばれている景勝地です。
そして、神様たちをお迎えする砂浜でもあります。旧暦の10月は神無月(かんなづき)と呼ばれますが、出雲では全国から八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に集まりますので神在月(かみありづき)と呼ばれます。全国からやってくる神様たちを最初にお迎えするのが稲佐の浜になり、旧暦の10月10日の夜に「神迎神事(かみむかえしんじ)」が行われます。
旧大社駅
13:30、やってきましたのが一畑電車の出雲大社前駅から10分ほど南へ歩いた所にある旧大社駅です。
出雲大社の門前町にふさわしい重厚な和風づくりの駅舎は1912年(明治45年)に国鉄大社線の開通により開業され、1924年(大正13年)に改築されています。1990年(平成2年)大社線の廃線とともに廃止され、その後旧大社駅舎は2004年(平成16年)国の重要文化財に指定され出雲市の観光地となっています。
ホームに展示されている蒸気機関車は昭和49年に引退したD51形774号機です。このデゴイチが本州を最後に走った蒸気機関車となります。
デハニ50形とご縁電車しまねっこ号
14:00、出雲大社前駅に戻ってきました。駅に展示されているのはデハニ50形・52号車です。1928年(昭和3年)に製造された一畑電気鉄道の自社発注車両で日本最古級の電車です。2009年3月末の現役引退まで扉が手動扉であったのも特徴です。この車両は中井貴一さん主演の映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の撮影でも使用されました。
14:52発の川跡行き電車に乗車します。
川跡駅で電鉄出雲市行きの電車に乗り換えですが編成は島根県のゆるキャラ「しまねっこ」がラッピングされた「ご縁電車しまねっこ号」です。
一畑電車で人気ナンバーワンの編成です。「ご縁電車しまねっこ号」に乗って電鉄出雲市駅に到着です。一畑電車で行く出雲大社観光は無事終了です。やはり出雲大社へは車やバスでなく一畑電車で行くのが旅の情緒があって一番ですね。