香港最古の道教寺院「文武廟 (MAN MO TEMPLE)」

文武廟 (MAN MO TEMPLE)渦巻状の線香

150年以上の歴史を誇る香港最古の道教寺院

文武廟 (MAN MO TEMPLE)はイギリスの植民地時代に建立された香港最古の道教寺院です。1847年に豪商たちの資金により建設され文武廟、列聖宮、公所の3つの建物により構成されています。

文武廟は学問の神様である文昌帝君と武神、商売繁盛の神様である関聖帝君(三国志の関羽)を祀っています。列聖宮には道教の様々な神様たちが祀られています。公所は当時、地元に住む香港人たちの集会所や様々な問題を解決するための会議場所として機能しておりました。

1908年からは香港最古の慈善団体で病院を運営する東華三院(Tung Wah Group of Hospitals)が管理運営をしています。

三国志の関羽が祀られる神聖な文武廟

文武廟 (MAN MO TEMPLE)

文武廟 (MAN MO TEMPLE)

文武廟に入りますと荘厳な雰囲気に包まれており外とは違い香港の喧騒から離れ別世界になります。

渦巻状の線香

渦巻状の線香

廟内の天井には渦巻状の線香が数多く吊るされており多くの参拝者の人たちが線香を捧げていきます。

文昌帝君と関聖帝君

文昌帝君と関聖帝君

文武廟の奥には学問の神様・文昌帝君と武神、商売繁盛の神様・関聖帝君(三国志の関羽)が祀られています。左が関聖帝君、右が文昌帝君の像になりますが、関聖帝君は私がイメージしているのとは少し違います。関聖帝君は三国志の関羽ですのでトレードマークの長い髭と威風堂々とした姿を想像していたのですが、文武廟の関羽は武神のイメージはありません。これは武神というより商売繁盛の神様として祀っているようですね。

関平

関平

三国志の関羽が祀られていますので、当然あの2人の像も文武廟にはいます。まずは関平です。関平は三国志演義では関羽の養子として登場して関羽とともに行動して呉に捕らわれ処刑されています。文武廟や関帝廟にある関平像は印を手に持っていおりニコニコした表情が特徴です。

周倉

周倉

こちらは周倉です。周倉は元山賊ですが関羽の部下となり、関平と同じく最後まで関羽に従い行動しています。周倉は文武廟や関帝廟では関羽の青龍偃月刀を守っています。周倉は元山賊だからか表情は厳しく張飛に近い荒々しいイメージです。

青龍偃月刀

青龍偃月刀

暗い文武廟には青龍偃月刀があり廟内をより荘厳な雰囲気にしていきます。

ロウソク

ロウソク

線香やロウソクも参拝客をスピリチュアルな世界へ誘っています。

渦巻状の線香

渦巻状の線香

文武廟と言えば天井の渦巻状の線香ですが、線香には願い事が書かれた赤い短冊があり、線香が全て燃え尽きると願い事が叶うと信じられている為、多く参拝者が線香を捧げています。線香の煙と天井から差し込む光により文武廟をより幻想的な世界へと誘っています。

名判官・包公

名判官・包公

文武廟は文昌帝君と関聖帝君以外にも神様が祀られています。中国ではおなじみの名判官・包公が祀られています。包公は本名を包拯と呼び宋の仁宗皇帝に仕え開封府知事として公平な裁判をしており、「昼はこの世を裁き、夜は冥界を裁く」などと言われるほどの名判官で知られています。

包公の他にも城隍も祀られており、文武廟は城隍廟として機能していたようです。城隍は都市の守り神で香港や中国各地で祀られている神様です。

列聖宮

列聖宮

文武廟の隣りにあるのが列聖宮でこちらには道教の様々な神様が祀られています。文武廟に比べると参拝客は少なめで空いているのですが、暗い廟内の天井には渦巻状の線香が多く吊るされており、こちらも荘厳な世界が広がっています。

ランタン

ランタン

こちらの列聖宮は天井には渦巻状の線香だけでなくランタンが多く吊るされています。これも廟内の雰囲気を盛り上げてくれます。

香港の大都会の中にありながら、その一角に150年以上の歴史を持ち荘厳な雰囲気を漂わせて地元の人達の深い信仰に支えられている文武廟に一度は足を運んでみてはいかがでしょうか?

交通アクセス

住所:香港島上環荷李活道126號
交通:MTR港島線上環(Sheung Wan)駅A2出口より徒歩約10分
営業時間:08:00~18:00 *農暦1日と15日は07:00~18:00

文武廟 (MAN MO TEMPLE)渦巻状の線香